第287話 王国混乱する
Side:国王御前会議
国境地帯に派遣した勇者の1人である
「隣国に亡命した
国王が驚愕の声を上げる。
王国は隣国に亡命した
それは隣国が
王国はただの軍では
その中でも随一の戦闘力を誇る黄金騎士が倒されるとは想定外だった。
「バカな。
閣僚の誰かが驚きの声を上げる。
「
加えて、同行した
治療省大臣が発言し、
そして、勇者省大臣に先を話しても良いかと目配せした。
その先は勇者省管轄の話を含むからだ。
「続けろ」
国王が治療省大臣の発言を許可する。
これにより、勇者省大臣は黙認せざるを得なくなった。
国王は、そんな縄張り争いよりも、さっさと報告を得たかったのだ。
「
これは
つまり、
ということは、他に水魔法と土魔法を使える者が現場に居たことを意味していた。
「勇者省にも同様の報告が
治療省の報告も
勇者省大臣も治療省大臣の報告を追認する。
そこには、その報告の手柄は勇者省にあると言いたげな雰囲気が含まれていた。
「加えて
だが、治療省は勇者省には無い情報を持っていた。
「それはなんじゃ?」
国王が前のめりになる。
敵の正体を
「敵は竜人だったと。その竜人1人にやられたとのことです。
そして、その竜人には
「
「待て、死んだというのは例の貴族との争いではなかったのか?」
「そもそも、竜人とは魔王軍の幹部ではないのか?」
「つまり、例の貴族は魔王軍の幹部ということか!」
「たしかに、魔物を使役しているとの報告があったはずだ」
「待て、となると隣国は魔王軍と手を結んだのか?」
御前会議は混乱の坩堝と化していた。
「待て、竜人というのも死にかけた
「それに例の貴族が竜人だったとしたら、停戦に応じるわけがない。
魔王軍ならば、そのまま我が国に侵攻して来るはずだ」
「そもそも例の貴族ならば、魔物の氾濫で溢れた魔物を殲滅したそうではないか」
「魔物と言えば魔王軍の手先。殲滅などするわけがないか」
「どうせ竜を模った鎧の見間違いだろう」
「いや、そうなると例の貴族が隣国についたということだぞ?」
「隣国につくなら倒さねばならんぞ」
「いや、バーリスモンド侯爵軍を簡単に倒した者だぞ。それをどうやって倒すのだ?」
「隣国と連携する前に全軍で叩けば」
「鎮まれ!」
閣僚たちの勝手な議論に、ついに国王が声を上げた。
国王ないがしろで議論を交わしていた閣僚たちが一斉に口を噤む。
「例の貴族が魔王軍だという話は憶測にすぎぬ。
例の貴族に使者を出せばわかることじゃ。
それよりも隣国が何処からか勇者レベルの援軍を得たと考えた方が妥当である」
「では、
「それとオールドリッチ伯爵に例の貴族との交渉をさせるのじゃ」
国王が裁可し、
加えてオールドリッチ伯爵が温泉拠点に交渉に来ることとなった。
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