第286話 戦争の足音2
Side:
王国の王都、その中心にある王城の入り口に一陣の風が吹き込んで来た。
それは肉塊を背負った
「誰か、回復術師を! 早く!」
僕は彼らとの接触を控えているため、
僕のお付きのマリアンヌが邪魔だったが、今では彼女も僕の【統率】の支配下に置いて、あれこれと都合よく使わせてもらっている。
そして、
僕の存在を知った
今では
僕の存在は、過去の勇者の生き残りとでも思っていることだろう。
レベルアップにより、僕の【統率】にはサブスキルが派生した。
僕の【統率】の支配下に入ると、念話により配下に命令出来るようになった。
そして、僕は念話により
あいつは警戒心が強すぎる。
僕に疑いを持つ前に王国により洗脳することが出来て良かった。
話を戻す。
僕は
何があったのか話を訊く必要があったからだ。
その会話は念話により僕に筒抜けなのだ。
『どうしたのだ! その肉塊は何だ?』
『
なんと、その肉塊は
雷神の加護を受け、強力な雷スキルを手に入れていた。
少し増長気味であり、コントロールの出来ない存在だった。
そして、この惨状は
『早く、治療を!』
先程の声で城の騎士たちが集まって来た。
回復術師もやって来たが、慌てて奥の治療院へと運ぶように指示をしていた。
その肉塊は、手足が欠損しており、まるで人をドロドロに溶かした後に再構築する途中のようにも見えた。
「これはどこまで治療出来るか疑問だな」
大事な構成要素を失っている感じがした。
欠損回復の魔法は、元の状態を強く心に保持していなければ治らないという。
その心や記憶が壊れていたならば、元には戻れないだろう。
どうやら貴重な王国の駒が1つ失われたようだ。
それより、これをやったのが
どう見ても症状が違う。
少しそこをつついてみるか。
僕は
『
それは王国を裏切った
つまり
そして、この3人にかかれば
なのに負けたというのか?
『いや、俺は見てない。
1対1で戦って
まさか、
誰だ? まさかノブちんたちに生き残りがいた?
いや、待て。見ていないのならば、どうして
『ならば、なぜ
『それは、
それで
つまり、相手が複数かどうかは判断材料が無かったということか。
『
『ああ、なんか水魔法と土魔法と火魔法を、それもそれらを高度に使うやつが居ただろうって
敵は複数っぽいよ』
おいおい、それを早く言ってよ。
もしかすると各属性毎に勇者クラスがいるってことになるぞ。
つまり、今、
まずい、何か手を打たなければ、僕が王国を乗っ取る障害になってしまう。
今動かせるのは、
早急に向かわせなければならないが、国王の裁可が必要だ。
このまま不利な戦争になりかねないのだ。
国王を説得しなければならないな。
「なるほど、それが
もしもの事があるならば、僕も
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