第259話 赤Tと青Tその3

お知らせ

 258話後半で赤Tが頭良すぎる感じだったので、ちょっと口調を修正しました。

推理力はそのまんまなので、話の内容は変っていません。

口調だけの修正です。

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 俺は事態に介入するためにカブトンを召喚して空へと飛び立った。

現場までの到着にはしばらく時間がかかる。

その間、青Tにも指示することは出来ずに、ただただ事態を傍観するしかなかった。

いざという時に青Tを救出するために、ヘラクレスオオカブトを上空待機させることしか出来なかった。


『待ってください、赤T。

魔物を使役しているから、魔王の幹部だとか、話が飛躍しすぎです。

テイマーならば、魔物を使役するではないですか』


 ナイス、青T。

そうだよね。紗希にもテイマースキルがあるから、テイマーもそんなに珍しいわけではないよね?

馬や騎獣の厩舎関係では結構いるらしいからな、テイマースキル持ち。


『ジャイアントセンチピードや猛毒王モドキドラゴンをテイムするテイマーなんていんかよ!

それに侯爵バーリスモンド軍は、大量の魔物に襲われてんだよ。

その魔物が使役されてんなら、魔王の軍勢にちげーねーじゃん!』


 確かに!

赤Tの足止めにジャイアントセンチピードをけしかけたっけ。

あいつは使役してないんだけど、GKの配下を使うと誘導しやすいんだよな。

そしてモドキンには、赤Tは瀕死の重傷を負わされたんだった。

それを赤T目線で見ると魔王軍の攻撃に見えるのか。


 そして、青Tが参加した侯爵軍第3軍が壊滅した原因が魔物による攻撃だもんな。

あれは俺が卵を配置して眷属放棄した奴らだけど、まさに使役したかの如く第3軍を襲ったもんな。

裏ではGKの配下も暗躍していたし……。

最後にはT-REXを使ったんだった。

その報告は生き残りがしているんだよな。

赤Tもそれを耳にしていたということか。


「まずい。客観的に見て魔物が使役されている前提ならば、どう考えても俺が魔王だ!」


 なんて言い訳をすれば良いのだろうか?

魔の森の魔物は無関係。それは事実だ。

GKとモドキンやT-REXは使役関係を否定してしまえば良い。

実際、オールドリッチ伯爵や新バーリスモンド侯爵なんかは、魔物の攻撃は魔の森のせいという認識だったはず。


 問題はカブトンたち昆虫魔物の使役か。

これはテイムスキルで誤魔化せそうだが……。

それこそ青Tがどう答えるかにかかっているぞ。


『魔物を征することも叶わずに、魔の森に居を構えることが出来るわけが無いでしょう。

我が主が魔物を征することが出来るのは当然。

だが、それを以って魔王の幹部とは勘違いも甚だしいですよ?』


 そうだ、青T。もっと言ってやれ!


『そんなチート持ちの貴族なんていねーよ!』


『おやおや。チート持ちのあなたが言いますか』


 青T、ストップ、俺の正体を言うつもりか?

そこは……。いや、ノブちん経由で知られるのも時間の問題か。


『まさか、その貴族のやつって……』


『そうです。その正体がチート持ちの同級生ならば理解できますよね?』


『わかった。そいつが魔王っつーわけか!?』


 赤T、全然わかってねーーー!!


『なんで魔王ですか!』


 そうだよ。青T、言ってやって。


『さちぽよを喰ったんが、そこを飛んでる人食い昆虫魔物じゃねーか!』


 あー、その誤解もあったな。

なるほど、それでカブトンに抱えられている状態を見て、人食い昆虫魔物認定されたのか。


『さちぽよ?

屋敷でピンピンしていますよ?』


『は?』


『いや、昆虫魔物に攫わせて救出したのですよ。

使役しているなら、食わないという選択肢があるでしょうに。

私だって食べられていないではないですか』


『へ?』


 どうやら、赤Tの思考回路が考えすぎでショートしたようだ。

赤Tはしばらく動けなくなっていた。

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