第253話 転校生襲われる
こんなのレベル差とスキル【身体激成】で、簡単に引き剝がせるとお思いだろう。
むしろ俺は、そのせいで窮地に陥っていたのだ。
【身体激成】は【身体強化】の上位スキルにあたる。
対魔物ならば思う存分使えるスキルも、傷付けてはいけない相手には使い勝手が悪い。
つまり、【身体激成】は強すぎてしまい、さちぽよの腕や脚を引き千切るようなことになってしまうのだ。
俺はスキルを使えない。しかし、さちぽよは【身体強化】を使える。
俺のレベルが高いせいで、多少の無理はステータスが許容してしまうのだ。
それによりパワーの逆転現象が起きているのだ。
さちぽよの右手が下りてきて、俺の股間をズボンの上からまさぐる。
「やっぱり溜まってるじゃん♡
ここ最近、朝は大きくしてたっしょ?」
バレてた!
確かに戦闘の高揚感からか、頭がお色気モードになっていたのだ。
いや、おかしいぞ。いつまで高揚感が続いているのだ?
まずい、このままでは不倫になってしまう!
説得するしかない!
「さちぽよ、一夫多妻は認めたが、それは好きな人が2人になったからだ。
これは不倫だ。2人を裏切る訳にはいかない」
「黙ってれば大丈夫っしょ♡」
いや、無理無理。
そういうところ結衣は絶対鋭いんだってば。
女の勘を嘗めてはいけない。
そこはニュータイプばりに洞察してくるんだよ。
「それじゃ、俺が俺でなくなってしまう。
俺に糞親父の二の舞は踏ませないでくれ」
「男なんてみんなそうなんだってば」
「ああ、ズボンを下すな!」
軽装の革鎧のため、前垂れの下は直でズボンだ。
今は裁縫女子が現地製造したズボンでチャックではなかったのが幸いして、即アクセスされることはない。
脱がしにくくなっているのだが、腰のベルト代わりの紐は解かれ、既にズボンがずり下げられつつあった。
なんという早業。
「大丈夫、怖くないから。
このまますっきりしちゃえばいいじゃん♡」
駄目だこいつ早く何とかしないと。
「あっ!」
ついにさちぽよの手が下着の中に進み、俺の魔王を直に握った。
女子によってはこれだけで浮気確定だろう。
って、魔王って何だよ。
そういや、闇魔法も使っていないのに、なんだか最近暗黒面に引きずり込まれている気がする。
職業魔王の影響か?
魔物を眷属にしすぎたか?
そういや、魔の森に魔物を放つなんて魔王の所業じゃないか。
「準備万端だね♡」
さちぽよは、俺の下着をずらして魔王を露出させてしまった。
そして自分の下着の隙間からあそこに俺の魔王をあてがおうとしていた。
これはヤバイ。
さちぽよの腰が浮いた隙に俺は体を横にする。
「ちょっと! 逃げるな!」
さちぽよが俺の肩に両手をかけて身体強化で抑え込む。
そして腰を落とし体重をかけ、マウントを強化した。
まずい、腰の動きだけで挿れようとしている!
これって逆レイプってやつでは?
「ほら、もう少しだよ♡」
こんな状況でも立派に勃っている俺の魔王を呪ってやりたい。
どうする、怪我をさせてでも止めるか?
それはそれで女子に怒られそうだ。
何か良い手はないか……。そうだ!
「眷属纏! クモクモ!」
俺はクモクモを眷属纏で纏った。
その過程でさちぽよは見えない壁に吹き飛ばされ、俺から離れた。
いや、クモクモで覆って魔王を使えなくできればと思っただけなんだが……。
クモ人間の外観も、その後の行為を萎えさせること請け合いだと思ったんだ。
「大丈夫? さすがに浮気は勘弁して」
俺はクモ人間のまま、さちぽよに懇願した。
「うわ、キッモ!」
うん、目論見通りだけど、なんか傷つく。
俺は眷属纏を解除した。
眷属纏は纏っている時間でMPを消費し、長く纏っていると副作用で後で寝込むことになるのだ。
最低限で解除する必要がある。
「でも、浮気じゃなければいいんだ」
それは俺がさちぽよを結衣や麗のように好きになれればだと思うぞ。
「俺が好きになればな」
「じゃあ、振り向かせて あ げ る ♡」
「もう少し体は大切にね」
「減るもんじゃないし、お互い良ければセフレもいいもんよ?」
さちぽよがフリーすぎる。
これは変に話が伝わる前に、結衣と麗に報告するべきだろう。
怒られるだろうなぁ。
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