第七十五話「赤い翼の帰還」
午前五時――
「ううう林太郎、まさか
「めそめそするなミナト
「私は
ボートの上で待機するのは、
そして
なにせ南極への
さらに林太郎たちとの
このボートの
「
「うっぷ……
アークドミニオンで
言うなればこのボートは、アークドミニオンが用意できる限りで最高の運転手と最高の医者を乗せた救急車である。
しかしもうかれこれ
「早ければ、あと二時間といったところだ」
「に、二時間も……?」
サメっちからビクトリーファルコンの
それ以降は
「心配するなミナト衛生兵長、今回の任務はそう難しくない。言ってしまえば、ただのピックアップだ」
アークドミニオンが
特に今回保護する『
だが
事実ヒーロー本部は
なにも心配することはない、ウサニー大佐ちゃんは自分にそう言い聞かせた。
しかしそのウサミミ
「なに?
「
ウサニー大佐ちゃんはその赤い
…………。
マッハ
コックピットから見える水平線には朝の光が
「アニキ! タガデンタワーが見えたッス!」
「おー、こうして見るとやっぱでかいなー」
『こちら
「こちらビクトリーファルコン、了解」
ビクトリーファルコンは、羽田空港への着陸コースに入っていた。
なぜわざわざリスクを
林太郎は背後でのびている烈人のふりをしながら、空港管制官の指示に
管制官はビクトリーファルコンがハイジャックされていることなど、知る
「着陸したらどうするんですか?」
「羽田の近くにボートを待機させてるッスよ。着陸したらそっこーで乗り捨ててダッシュッス!」
「
林太郎は片手で
キングビクトリーに
ほとんどジャンクに近い状態からたった数時間で
息を吸うように爆弾を量産しているぐらいなのだから、当然といえば当然なのだが。
サメっちはふふんと鼻を高くすると、桐華に対してどうだとばかりに胸を張った。
「むふふ、サメっちは仕事もできるいいおんなッス。なんたってアニキの
「…………センパイ、私もこの飛行機
「それひょっとして両手でなでろって言ってる? ねえ見えてるかな? センパイはいまとてもデリケートな
林太郎は窓の外に見える羽田空港の
しかし
ドンッというわずかな
「よし、止まった。すぐに羽田空港から脱出だ!」
「あいあいッス! ボートもこっちに向かってるはずッス!」
林太郎たちはハッチを開いて滑走路に飛び降りると、
海までたどり着きさえすれば、
「サメっち
「そりゃほとんど滑走路だからね。
「飛行機ぜんぜんないッス。サメっち飛行機見たかったッス」
「……なんだって?」
林太郎の足がピタリと止まる。
どこにも飛行機が
あるべきはずのものが無い。
考えられる可能性は、ただひとつである。
「どうしたッスかアニキ? もうすぐ海ッスよ!」
「サメっち、走れ!
林太郎が叫ぶのと同時に、空から、海から、大地から。
ありとあらゆる場所からカラフルなヒーロースーツを身にまとった戦士たちがぞろぞろと現れる。
「
「
「
「
「
林太郎たち三人は、“
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます