第五十九話「最後の一撃」
光の消えた
月光に照らされた黒い刀と緑の剣が激しくぶつかり合う。
戦局は
「やっぱり
激しさを増す攻撃をいなしながら、林太郎は顔を
相手は
桐華がヒーロースーツを着用すれば、その戦闘力は林太郎のみならずあらゆる怪人を
だが今回の林太郎はこれまでとは
ありとあらゆる手を、これでもかと用意してきたのだ。
「無月一刀流、
防戦一方で逃げ回るデスグリーンを追い、ついに桐華は林太郎にトドメを刺したかに見えた。
しかし真っぷたつに両断されたそれはデスグリーンの
直後、桐華の背後から緑の
「
「そんなことだろうと思いましたよッ!」
「ぐえーーーッ!!」
桐華は振り向きざまに“クロアゲハ”を
カウンターが見事に決まり、林太郎は二〇メートル近く吹っ飛ばされる。
「ちくしょう、なんでだーッ!?」
「あなたがどれだけ
それは“場所”である。
これまではヒーロー側が怪人を
しかし今回のさいたま
つまりこのフィールドには、林太郎によるありとあらゆる
しかし林太郎が次々と
「くそっ、まるで
「あなたの考えなんて、すべてお
まさにその言葉通り、桐華にはデスグリーンが何を仕掛けてくるかある
「ゴムマットと
林太郎たちは
その情報を
「ベニヤ
桐華はそれらのリストを
それは
思い出されるのは訓練教官を相手にあらゆる
毎回見つかって雷を落とされるのは桐華の役目であった。
思い返せば一緒に考案したというのは桐華の記憶が
だがそれらの記憶が
「ぜえ……っ、ぜえ……っ、なぜだ、なぜ俺の
「いまの私は“ひとりじゃない”んですよ!」
「おのれビクトブラックぅーーーーーッッッ!!」
林太郎は距離を取ると地面に赤い玉を投げつけた。
一瞬にしてお
煙に巻かれた一瞬の
「うははははーーーッ! これでもはや何も見えないだろう!」
ヒーロースーツがオレンジ色に染まり、マスクの視界も完全に
「大量に購入していた花火は煙幕……そして防犯用カラーボールによる目つぶし……」
それもすべて、桐華にとっては想定の範囲内であった。
「変身解除!」
しかしいざという時はヒーロースーツさえも捨てる、この思い切りの良さが桐華の強みであった。
かの
そして桐華の
「言ったはずです。あなたの考えることは、すべてお
「な、なにぃーーーッ!? そんなバカなーーーッ!?」
「
桐華にとってこれが最後の一撃だ。
「いっけぇーーーーーッッッ!!!」
「そんなバカな……バカな、バカな……バカなァァァァァッッッ!!?」
「なあんてバカなんだろうねえ、
緑のマスクの内側で、林太郎は
直後、桐華の“
「いっ、いっ……いったああああああああッッッ!!!!!」
「この
林太郎は
“なにがなんでも
林太郎が
このご
オレオレジン・カプシカムガス、ようするに
ヒグマ相手でも
そんな地獄の
つまるところ林太郎の策は“どうやってヒーロースーツを
林太郎の
しかし読み切ることまで
「みぎゃーーーーーーーッッッ!!!」
「俺は言ったはずだぞ黛、敵から
「はうっ、はうぅぅ…………ッ!!!!!」
林太郎の言葉も、
それはそうだろう、サボテンに吹きかければ二日で
顔を押さえて
「すべてお見通しって言ってたっけ? なぁーんにも見えてなかったねえ! 俺を追い詰めたと思ったかい? 影の先っちょにすら
林太郎は痛みに
メンタルのオーバーキルは基本である。
林太郎は
その
「さあて、夢の国の
「うぐっ……うぐぅぅぅぅぅ……ッッッ!!!!!」
桐華の首すじにチクリとかすかな痛みが走る。
それは
「あっ……ひぐ……うぁ……」
「さあて、どうしてくれようかあ……」
林太郎が
「おーい林太郎、大変だ! 敵の援軍がこっちに向かってる!」
ぜいぜい息を切らしながら長身の美女が走ってくる。
「思ったより早いな。まあいい、ちょうどこっちも終わったところだ」
「林太郎、この子は?」
「ビクトブラックだよ」
「ビクッ……ひぃぃぃぃぃぃッッッ!!!」
湊はその名を聞いただけで
コートの
林太郎は
「さんざん苦しめられたヒーローにも
「俺は殺しはやらない平和主義者だよ? それはそうと知ってるかソードミナス、催涙スプレーの
林太郎はそう言うとポケットから黒いサインペンを取り出した。
「だからこうして拭いてやらないとさ、
「林太郎おまえ……ひどいヤツだな!」
「極悪怪人だからね。はい総員
大量の剣が
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