第五十話「奇蟲将軍ザゾーマ」
悪の
日本最大の企業グループ“タガデン”の会長にして日本の政界、経済界、芸能界などあらゆる
かつて
彼らはみな、国家公安委員会ならびに世界ヒーロー組織
しかしこのアークドミニオンにはあとひとり、彼らと同じくその首に
それが“
「
「ザゾーマ様は『デスグリーン様のために最高級の紅茶を用意しました。どうぞゆっくりしていってください。ミカリッキーの紅茶はとても
「……ミカリッキー?」
林太郎が聞き
「申し遅れましたワタクシ、ザゾーマ様の
「ミカリッキーさんと呼ぶことにします」
「
ミカリッキーは少し
いや彼はカミキリムシ怪人だからミカリッキーなのだ。
それは必然であってまったく
「ちなみになんですが、ザゾーマ将軍。……普通には
林太郎はついにずっと思っていたことを口にした。
これから重要な話をしようというのだ。
普通に会話をしてもらえるならば、そのほうがずっといい。
ザゾーマは紅茶を口に運ぶと、温室の
冬の日は短い、あと二時間もすれば
「さざなみに
「ザゾーマ様は『ご
「なるほど。なんの
林太郎はさっそく
そこにはベアリオンとウサニー大佐ちゃんが
怪人の
この怪人細胞こそが、人と怪人を明確に区別する
それが怪人が持つ最大の
「怪人細胞の活動を
ザゾーマは真っ白な
毒の特性を
それよりも、これでデスグリーンにどの
ザゾーマはそれを考えているのだった。
そんな
(
元東京本部所属のヒーローである林太郎は、
かつて目にした資料によると、
その男がなぜ最高レベルの要注意人物としてヒーロー本部のデータベースに登録されているかというと、その理由はただひとつ。
“
それはもちろん、普段は人間態を取るザゾーマの“
もっとも危険とされるところは、彼のもっと
ザゾーマは百獣将軍ベアリオンのように“
人間も怪人も、まずなんらかの目的があって、しかるのちに行動を起こす。
それは
だがザゾーマがこれまで関わったとされる怪人活動にはまるで
地方警察署を毒の煙で襲撃して、まるごと巨大な巣にしてしまったり。
大学のキャンパスに巨大なテントを張ってサーカスを開演したり。
高層マンションの
不思議な
それらの一切が目的不明、ゆえに行動予測は不可能。
もっとも
「
考え込んでいたザゾーマがようやく口を開いた。
「
ザゾーマは
「……あの通訳さん? この人、いまなんて言ったの?」
「ザゾーマ様は『紅茶のおかわりはいかがですか?』と仰っています」
「絶対
次の瞬間『ドーーーンッ!』という爆発音とともに、植物園の入り口
アリのような
「
その報告に、林太郎は
「そんなバカな! ヒーロー
「つけられていた様子はなかったのですが……おろおろ」
林太郎とミカリッキーのふたりは、すぐにヒーローを
…………。
現場に
林太郎は
「おいしっかりしろ!」
「ああ……デスグリーンさん……気をつけてくださいアリ……
ザコ戦闘員はそれだけ言うと気を失った。
やはり強襲してきたのは
だとすれば、
林太郎は植物園のどこに
「おろおろー、大変なことになってしまいました……ウッ!!」
建物の
「わ、ワタクシはもうだめです……あとはよろしくお願いします……」
「ミカリッキーさん弱すぎないですか!? もうちょっと
「これ以上頑張ったら本当に死んでしまいます。
ミカリッキーが口ほどにもなさすぎる退場を
その矢はあらゆる
「このトリッキーなピンクの矢はひょっとして……」
林太郎が記憶をたどるまでもなく、その
そして彼女に続くように、林太郎にとって最悪の“敵たち”が立ちはだかる。
「“
「“悪を撃ちぬく青き光”!! あッ! 骨に、響くぜッ! ビクトブルー!」
「“パワーみなぎる黄の光”……び、ビクト……いえ……いえろ……アヒッ」
それは
倒しても倒しても立ち上がってくるというのは、林太郎自身怪人の立場になってみて初めてわかる恐怖というものであった。
「“心がたぎる赤き光”!!!!! ビクトレッド!!!!!」
「“闇を
当然のことながらこのふたりもいる。
いま、正義に燃える
「「「「「五人そろって、勝利戦隊ビクトレンジャー!」」」」」
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