第28話「学園祭は関係を終わらせる。」
生徒会は寝る間を惜しんで膨大な量の書類を終わらせた。事実上気づけば文化祭まであと一日となった。
「皆、よくやった。明日は本番だ。しっかりと盛り上げていこう。解散。」
昂大は設備や機材の点検を済ませ帰宅した。帰宅し居間に入ると、美和と真希とがいた。
「あれ?遥姉さんは?」
「姉さんなら彼氏を作るためにどっかに行ったよ。しばらく帰ってこないって、さっき電話があった。」
美和がテレビを見らながら言う。
「そうか。」
昂大は自分の部屋に入ると明日の作業に取り掛かった。
「いよいよ本番ね。」
有希子が部屋に入ると昂大はパソコンを閉じ、有希子を手招きして唇を奪った。
「どうしたの急に?」
不審に思い問うと、昂大は照れながら、
「俺と有希子は恋人関係になったけど1度もキスをしてなかったと思ってな。」
と返した。
一方校舎ではとある者が侵入していた。侵入者はブシドー館に入ると、設備や機材の結合してある紐に小型の機械を取り付けると去ってしまった。
朝日が登り、学園祭当日を迎えた。生徒会は他の生徒より早く登校し、挨拶を始めた。
「今日は学園祭だ。生徒会としてしっかり盛り上げていこう。それでは各自任務を遂行するように。」
そして、事件は起こった。生徒会メンバーによる演奏を行っていた時だ。満員になったブシドー館の客席から歓声と共に、一部の男子高校生から昂大に向けて生卵やゴミ・カッターナイフなどが投げつけられたのだ。この高校生たちは中学時代に彼に対する嫉妬と妬みが、とてつもなかった人たちで、遥が買収し、洗脳した人間でもあった。
「テメーみてーな奴が、でしゃばってんじゃねーよ。気色悪りーんだよ。」
「そーだそーだテメーみたいな劣等生は大人しくママのオッパイでも咥えてな。」
「今からテメーをあの世に送ってやんよ!」
閃光弾やスモッグ・手榴弾などが投げつけられ、ブシドー館内は大騒ぎになり、収拾がつかない状況にまでなった。
ギィィィ。
雑音がブシドー館内に響いた。乗客は一斉に静かになり、音のする方に視線がいった。
「次の曲行ってみよう。」
この状況でもライブをするという肝っ玉が据わった昂大を見て、乗客は盛大な拍手で応えた。
「何なのよ。何奴も此奴も失敗ばかりじゃない!何で上手くいかないの。こうなったら·····。」
加藤遥はヤケクソになり、リモコンを全て押すと小型の機材が、大量の鉄パイプを束ねていたロープや機材に着けていたロープを切り、一花の頭上から大量の鉄パイプや機材が落ちてきた。昂大は異様な音に気づき、咄嗟に一花を突き放した。
「一花!危な·····。」
ドガーン。ガラガラガラ。
一花は遠くへ飛ばされ無事だったが、大量の鉄パイプやスピーカー・金属・照明灯・演劇で使う用のワイヤーが崩れ落ち、まるで、雪崩のような感じで昂大を呑み込んだ。機材の雪崩が収まると瓦礫の山となった箇所から大量の血が流れているのを一花は発見した。
「昂大ー!」
第28話「学園祭は関係を終わらせる。」~完~
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