第18話「今日の友は明日の敵。」

歴史に二大勢力があるように、ハーレム学校にも二大勢力がある。中学時代二大勢力と呼ばれていた、冷徹の昂大と愛の健太郎だ。その二大勢力は、誰と誰がくっ付くかで、1つの勢力から分類されいく。通称「カップリングの推し論争」である。健太郎の場合は派閥が多く、勢力は数十といった所だ。昂大の場合は、一昂もしくは、有昂である。周りは3人が付き合っている事を知らないが故に、未だに争っているのである。しかし、当のご本人はそれを知らない。

「失礼します。」

生徒会に1人の女性が来た。この生徒会は常に開けており、いつでも気軽に相談できるようになっている。つまり、生徒会と部活を両方同時にやっているのだ。

「藤堂君。お話があります。」

「あら?遥じゃない。」

「知り合いなのか?」

「えぇ。私の友人よ。」

彼女の名前は、加藤遥かとう はるか。一花の友人でもあり、現役アイドルだ。

「一花から手を引いてください。」

「どういうことだ?」

「まさかご存知ないのですか?」

「何が?」

「今クラスの間で話題になってるのですよ。一昂か有昂どっちが尊いのか。」

「知らんかった。」

「それがどうかしたの?」

「何で女優が一般人と交際することになるの?ありえないでしょ。業界のためにも手を引いてください。」

「それは、遥の固定概念と理想を私たちにぶつけ、自分の思考通りに動いてほしいの?」

「少し言い過ぎではないか?」

「会長はお人好し?だから、そう思うのですよ。」

クスッと微笑んだ。

「なぜ、疑問形なんだ。」

「そんなことより、遥は私に彼と別れろというのかしら?」

「別れる?」

「質問に質問をするのはアイドルとしてどうかと思うわ。」

「アイドルでもそんな人いてもいいじゃん。」

「そんな考えだから、いつまで経っても売れないのよ。」

「はぁ?相変わらず生意気ね。」

「生意気はどちらかしら?」

生徒会の空気が重くなってきた。

「口喧嘩をするために生徒会を開けてるのではない。2人とも落ち着け。」

「さすが冷徹の昂大ね。一花と付き合ったら冷徹から冷酷非情に変わるのではなくて?」

高笑いしながら言う。

「あんた、急に来て何よ。彼の侮辱は許さないわ。」

有希子が睨む。

「要するに君は一花との交際を諦めろというのか?」

昂大はそれを制しながら問う。

「当たり前よ。それに、軽々しく一花って呼ばないで。アンタにはそこの女で十分でしょ?」

「さっきから何言うてんねん。自分にそれを止める権利はないやろ。」

七海がしびれを切らして口に出した。

「あら?アナタはレイプされそうになった人ね。噂になってたわよ。可愛そうに。今度は自分からレイプしに行くのかしら?」

「なっ。」

「いい加減にしなさい。遥は結局何がしたいの?」

「決まってるでしょ。私の本当の人生を終わらせた一花を後悔させるの。覚悟しなさい一花。」

そう言うと遥は出ていった。

「何があったんだ?」

昂大が問う。

「あれは小学生の頃よ。」

第18話「今日の友は明日の敵。」~完~

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