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「他に聞きたいことは大丈夫?」

「うん……、たぶん。私が聞いてないことがいっぱいあったんだね」

「もし、何かあれば、お兄ちゃんに聞いてね! でも、空と大地については、わからないことが多いだろうけど」

「あ、それは大丈夫。友達が一緒に――」


 そうだ、ナホにも伝えてあげないと。私はうーんと考え込む。やっぱり、会って直接言うしかないのかな。


「そう? でもそっちがエリナさんのやっていたゲームだし、そうだよね」


 メイラは納得したように首を縦に振り、ペンダントを握りしめる。


「それじゃあ、向こうに戻ろうか」

「そうだね」


 え、今から? え?


「あとは俺が説明しておく」


 え、心配です。


「あはは、かなり心配」


 ほら、妹にも心配されてますよ。


「俺だって、やる時はやる」

「そうだね、頑張ってお兄ちゃん」

「おう」

「エリナさん、ダイスケのこと、よろしくお願いします」

「おう、って逆かよ」


 ぷくくっとルミナスが笑う。二人に私はペコリとお辞儀をしておいた。

 ルミナスとメイラが宝石を合わせると、大きな光が宝石から放たれて、二人を包み込んだ。

 あれ、ちょっと待って。二人が帰るってことは、何が何だかわからない中身が変わった二人が出来上がるんですよね? それって、大丈夫? つまみ出されたりしませんか?

 光がだんだん弱くなって、消えていくと、二人の持っていた宝石のアクセサリーも一緒に消えていた。


「俺はアルテ。お前らの名前は?」


 メイラがこちらを向くと、プイと目を反らしソファーに座った。

 ルミナスは、ふぅと前髪をかきあげながらこちらを見ていた。


「おい、名前は?」

「知ってるでしょう? メイラよ」


 プイと目を反らしたまま、メイラは答える。

 ルミナスは、答えない。


「ルミナスさん?」


 私が問いかけると、諦めたようなため息を一つはいて、彼は答えた。


「薫だよ。まだ、ね……」


「なっ」「えっ!?」


 アルテと私が同時に驚きの声をあげた。


「どういうことだ!? 唯は!?」


 アルテが、ルミナスに近づき、肩に触れる。その手を鬱陶しそうに、ルミナスがはねのけ、いつものぷくくっではなく、くくくっと笑った。

 その様子に、アルテは驚き戸惑う。


「薫?」

「意地悪な神様だなぁ。いや、親切なのか? はぁ、まったく――。…………唯はもう戻ったよ」


 アルテはホッと胸を撫で下ろす。ただ、ルミナスの雰囲気が違う。いつもの柔らかな彼じゃなくて、そう、憎悪を感じる。向けられているのは、アルテ?


「伝える方が酷だと思うのになぁ。だって、ダイスケの帰る希望を捨てたのはボクだから――」

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