第42話 今後の生活……
昼食の後は、稀子達が持って来た市販品のお菓子でティタイムの時間で有る。
稀子の機嫌はいつも通りに戻って、鈴音さんを含めて談笑をしていると……
「比叡さん……少し、改まったお話ししても、宜しいですか?」
鈴音さんが何時と違う表情で聞いてくる。
俺は何だろうと思う?
「はい。何でしょうか?」
「……比叡さんは、お食事とかはどうするおつもりですか?」
「食事ですか…?」
「はい…」
「1人暮らしですと料理も大変だろうし、食材もあまり気味に成りますよね…」
「そう……ですね」
「流石に無料と言う訳には行けませんから、有る程度の食費を頂けたら、朝食と夕食の用意は出来ますが…」
「あぁ、そう言った事ですか…」
「そう言えば…、山本さんが前、そんな事言っていたな……」
俺は思い出す…。希望すれば食事の用意が出来る事を……
「どうしますか?」
「ちなみに食費はどれ位ですか…?」
鈴音さんに俺はそう聞くと、鈴音さんは俺に向けてピースサインをする。
(2万か……2千円では流石に無いからな…)
俺のアルバイト先は、明日山本さんから紹介して貰う予定で有る。
破格の値段では無いが、外食やコンビニ弁当を中心に朝・夕食を過ごしたら2万円では絶対に足りない……。俺はどうしようかと頭の中で考えていると……
「比叡君!!」
「一緒にご飯食べようよ!!」
「私としては、その方が嬉しいから!!」
稀子はそう言ってくる。
たしかに……俺の家から5分も掛からない場所に稀子達が住んでいるから、甘えた方が良いに決まっている。
でも、アルバイト先に関しての情報はさっぱりだし、山本さん一家の朝食の時間も知らない。どうするべきだろうか?
「鈴音さん……。朝食の時間は何時頃ですか?」
「朝食ですか…?」
「う~ん、学園の有る日は6時半で、お休みの時は7時半前後ですかね?」
「山本さんのお店の関係で、学園の休日でも朝は少し早いかもですね…」
平日は問題無いとしても、休日は少し早い気もする。
俺が休日の時の起床時間は大体8時だからだ。
「鈴音さん。晩ご飯いや、夕食だけでも可能ですか?」
「えぇ、大丈夫ですよ!」
「じゃあ、夕食だけお願い出来ますか…?」
「構いませんよ……あっ、すると少し貰いすぎに成りますね///」
鈴音さんはそう言うが……
「あっ、金額はそのままで大丈夫です!」
「俺も多少は酒を飲みますから、差額は酒代にして下さい」
「良いんですか……?」
「でも、お酒は孝明さんの関係で、孝明さんの飲んでいるお酒に成りますが…」
「はい!」
「それで大丈夫です!」
「飲みたいお酒が有る時は持ち込みます!」
俺はその様に言う。
晩ご飯だけでも、飲酒をしながら食べた場合なら、2万円近い金額に成るはずだ。
食費だって材料費だけでは無い。調理、洗い物する時の光熱費や食材を冷やす電気代や食器にだってお金は掛かる。
自分が晩ご飯作りをする事考えれば安いはずだ!
「分かりました…比叡さん。料理は私と稀子さんと山本さんのお母様の順番で、料理を作っていますが、比叡さんも参加されますか?」
「えっ!? 俺がですか……」
「比叡さんも1人暮らしをされていた様ですし、宜しければ……」
「えっと……簡単な物しか出来ませんが……豚汁、カレー、肉を焼く位ですから…」
「それだけ出来れば十分ですわ!」
「じゃあ、比叡さんもメンバーに入るで―――」
鈴音さんは話を進め出したので、俺は待ったを掛ける。
「あっ、しばらくは様子を見せて貰うでお願い出来ませんか?」
「よそ様の台所は、勝手が判らない事も多いので…」
「そうですよね!」
「もし、お夕食を作りたい時は言って下さいね!」
「その様に調整しますから!!」
「はい…」
……
その後は、再び稀子と鈴音さんを含む談笑に戻った……
食事に関しては、晩ご飯を用意して貰えるのは有り難い。決して安く無い金額だが、毎日必ず、稀子に会えるから、これも1つの手だと思った。
その後、鈴音さんの言葉で『客室も有りますから、お泊まりも出来ますよ』と言ってくれた。これで山本さんと酒を
この町に来てまだ2日目で有って、知らない所や不安も多いけど、稀子や鈴音さん。山本さんの力を借りて、1日でも早くこの町馴染もうと思った……
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