第10話
大学の屋上は、9:30から19:00は開かれていて、昼食を食べるものや、昼寝に使うものなど千差万別だった。僕は、鉄格子に持たれながらコーヒーを傾ける。「つまり、鷹志の推理は当たってたって訳か」「女子高生達がアリスさんに万引をした動機……少女達は冗談で万引でもしたらどうだろうと云ったそうだ。乗り気だったのはむしろアリスさんの方だったらしい」鷹志と幸子がそれぞれドトールとサイゼリヤに分かれて、事情を聞いた。そして、両方が両方とも、同じことを語ったそうだ。「学校には云ったの?」「判らない、ただ、本屋には云った。どうなるかは、推して知るべしだと思う」多分、相当に怒りを食らって、もしかしたら学校にも云った可能性もある。そう、これは僕が発端となった出来事だ。終焉まで聞かなければならないと思った。鷹志が云った。「暑くもない、寒くもない、この平凡だけど、壮絶なアリスの物語を、俺は絶対忘れないと思う」<終>
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