第86話 ルシアママの座学講義

「はふぅ♡」

「はぁ はぁ……あぁ クリスぅ♡」

「えへへ♡ アイナママぁ……ちゅっ♡」


 今日もアイナママと【レッスン】をして……

 ぼくはそんなママとつながったまま、チュッってキスしちゃう♡


「はぁ はふ♡ もぉ……クリスったら、日に日に上手になって♡」

「だってぇ、先生が教え上手だからだもん♡」

「うふふ、それはどっちの先生かしら?」

「もちろんアイナママだよ? ちゅっ♡」

「んちゅっ もう♡ おくちまで上手になって♡」

「えへへ♪」


 いまぼくは、アイナママとルシアママのふたりが【先生】で?

 だいたい1日おきの交代で【レッスン】を受けてるんだ♪

 だけどその【教えかた】はふたりともちょっと違ってて~


(ルシアママはわりと【受け身】で、ぼくにおまかせな感じ?)


 いつも始める前は……


『今日こそ絶対負けたりしない!』


 っていってるけど……だいたいぼくが勝っちゃう♪

 やっぱり女騎士って、こういうのには勝てないんだなぁ♡


(それでアイナママは、あれこれ【指示】してくる感じ?)


 それこそ【角度】とか【強さ】とか、アイナママからお願いされて~

 それにぼくが応えると、すっごい【びくんびくん♡】ってしちゃうんだ♪


(でもぼくは、どっちのママの【レッスン】も大好きだけどね♡)


 するとアイナママが、ぼくの頭を優しくなでながら……


「やっぱり女の子の身体になった体験が、効いているのかしらね? うふふ♡」

「うぅ、アイナママのイジワルぅ」


 そう、ぼくが【アプリル】さんのカラダと入れ替わってた時……

 その【魂】をカラダに馴染ませるために【レッスン】をしたんだけど?


「もうっ でも、おかげで確かに? 勉強にはなったけど~」

「ええ、あの時のクリスも可愛かったわ♡」


 この体験に関しては、ホントに【下ごしらえ】が大事だってよくわかったよ……

 それがしっかりできてると、女のコのカラダってホントにもう……スゴいの♡


「でもぼくは、やっぱり男のコのほうがいいなぁ」

「うふふ♡ ええ……ママもそのほうが良いわね♪」

「でしょ? って、そういえば──」

「あら? どうしたのかしら?」

「ええと……じゃあカラダがもとに戻ったということは……」

「アプリルさんって、もう?」

「ええ、アプリルさんはもう【レッスン】は終了ね」

「そうなんだ」


 アプリルさんもぼくのカラダで【レッスン】してたみたいだけど……

 元のカラダにもどったら、いきなりおしまい。


(ぼくはこうして【レッスン】を続けてるけど……)

(アプリルさん、平気かなのかなぁ)


 ぼくだったらきっと、ガマンできないかも?

 すると、アイナママが……


「そういえば、【MP】マジックポイントの量は、どうなったのかしら?」

「あ、うんっ 順調に増えてるよ♪」

「そう、良かったわ」

「えへへ……これもアイナママたちのおかげ♪」


 そう、ぼくがママたちと【レッスン】をしているのは……

 最初こそ【赤ちゃんの作り方】を、実践で教えてもらうためだったんだ。


(でも、なぜだかぼくの【MP】マジックポイントが増えちゃったからね~)


 それをアイナママに聞いたら……なんと!

 【魔力】を持つ男女がその【愛し合う行為】をすると、

 魔力の多い者に、少ない者の魔力が、近づこうとするらしいんだ。


(だからMPの少ないぼくがアイナママとすると、MPが増えちゃう♪)


 それこそ1回ごとの増加は少ないけど、数をこなせばそれもどんどん増える。

 しかもアイナママとルシアママは、大陸で2人しかいない【英雄級】冒険者!

 だからMPの総容量も、大陸でトップクラスの量だったりする。


「あ……だけど、ぼくがアプリルさんのカラダだったときは……」

「【レッスン】しても増えなかったんだ~」

「そうなのね……やはり【挿れて】【中で出す】と、しないとダメなのかしら?」

「いれて、なかでだす♡」

「あ、いやだわ……わたしったら──んっ♡」

「アイナママぁ♡」

「もう……クリスったら♡ まだ出し足りないのかしら?」

「だってぇ……アイナママがそんなこというから~」

「あら、ママのせいなの?」

「そう♪ だから……ね?」

「もう……仕方のない子♡」

「えへへ♡」


 そうしてぼくはまた、アイナママにチュってキスをして……

 また【挿れて】【中で出す】行為をしたのでした♡


 ◇◆◆◇


「むぅ」

「ええと……ルシアママ? ぐあい、わるいの?」


 朝ごはんのあと……なんだか辛そうなお顔のルシアママ。

 レイナちゃんとアプリルさんが席を外し、ふたりきりになったのを見計らって、

 ぼくはそう聞いてみたんだけど……


「ああ……良くはない、だが病気でもない」

「ええと……それって」

「ああ、【月のモノ】だ」

「あー」


 そういってお顔をしかめるルシアママ。

 こればかりは、男のコのぼくにはなんともできないし……


「ああ……いつもはそうでもないのだが」

「このところ、妙に重くてな……難儀している」

「ええと……おくすりとかは?」

「なに、病気というわけではない」

「それにあと数日もすれば、すぐによくなる」

「そ、そうなんだ……」

「だが痛みに苛つくあまり、情緒不安定になることもあるが……寛容に願いたい」

「も、もちろんだよ!」

「ふふ、クリスは優しい子だな♡」

「えへへ♡」


 ルシアママに、あたまをナデナデされるぼく。

 でも……やっぱり元気がない感じ?


「しかし……今までは何故女ばかりこの様な目に、と悲観していたが」

「愛する者の子を宿すためと思えば……これもまた母の勤めなのだな」

「ルシアママ……」


 そんなことをいうルシアママのお顔は、なんだかとっても色っぽくて。

 ぼくはなんだかドキドキしちゃう。


「ふむ……これも機会、というものか……クリス?」

「え? なぁに」

「ちょっと私の【講義】に付き合え」

「こうぎ?」

「ああ、私にとっても気晴らしになるのでな」

「うん」


 そういってルシアママは、ぼくをお部屋につれていって──


「さて、今からクリスに話すのは、女の【月のモノ】について、だ」

「つきのもの……」

「ああ、健常な女なら誰しもが通る道だ」

「クリスも今、女について学んでいる身……この機会に知っておいて欲しい」

「うん、ルシアママ」


 ルシアママはそういうと、息を吐きながらゆっくりとベッドの端に腰掛けた。

 ぼくもそのとなりに一緒に座る。


「だいじょうぶ? ルシアママぁ」

「ああ……少々下腹が痛むが、平気だ」

「そうなんだ……」

「で? クリスはこの【月のモノ】について、どこまで知っている?」

「ええと……月にいちど、女のひとがなる症状で」

「【あそこ】から血が出ちゃうんだよね?」

「ああ、おおむねそんな感じだな」

「ではその出血する理由は知っているか?」

「ううん」


 前世で保健体育の授業のときに、聞いた気もするけど?

 正直、よく覚えてないというか~


「では、男の子種を女の腹の中に出せば子供が出来る……それは判るな?」

「うん」

「だが、それはいつでも良いという訳ではない」

「それは月に一度、女の腹の中に【卵】が作られる日があり」

「その状態でないと、子供は出来ないのだ」

「そ、そうなんだ……」


 いわゆる【卵子】ですね?

 そこまではぼくも知ってるけど……


「そしてその卵が腹の中にある状態で、子種と出会うと……子供が出来る訳だ」

「う、うん」

「だが、その卵の寿命はせいぜい1日足らず……そう聞いている」

「いちにちだけ、なんだ?」

「ああ、故にその日を過ぎてしまうと出来ない……そういうことだ」

「なるほど」

「だが、出会っても子供にならない場合もあるそうだ」

「故に、そこは数をこなすしかないという訳だ」

「そ、そうなんだ……」


 自分でお腹をナデナデするルシアママ。

 やっぱり痛いのかなぁ?


「そして、その【卵】が作られるのは、なんとなく身体で判るものなのだ」

「そうなの?」

「ああ……身体の熱が下がったり、乳が張ったりする」

「そして卵が作られると、逆に熱っぽくなる」

「とまぁ、身体に変調が起きるのでな……そうした事で判るのだ」

「う、うん」


 す、すごいなぁ


「そして子種と出会わず、半月ほど過ぎると……」

「身体がその卵を【血】を使って、身体の外に排出しようとする」

「それが女の【月のモノ】だ」

「そ、それって……やっぱり痛いの?」

「ああ、私も娘時代に、婆やに聞いたのだが……」

「別に【出血】するから痛いのではないらしい」

「そうなの?」

「腹の中の【子袋】が、ぎゅっと縮んでしまうから痛いのだそうだ」

「ぎゅっとちぢむ……」

「そうして縮むことで、卵の排出を促しているそうだ」

「そ、そうなんだ……」


 お、女の人ってホント大変なんだなぁ


「そしてその出血が続くのは、おおむね3日から7日程度」

「もちろんその期間は【レッスン】は不可だ」

「で、ですよね」

「そして子供を望まないなら、卵が出来る期間も不可だ」

「う、うん」


 うぅ……こうして女の人から直に聞くと、すっごいナマナマしいなぁ

 けど、大事な事なんだし? ちゃんとお話聞かなきゃ


「そしてまぁ……この月のモノの症状だが、これがまた千差万別でなぁ」

「せんさばんべつ?」

「ああ、私はこうして腹が痛み、寒気を感じたりするが……」

「聞けばアイナは、出血以外はほぼなにも無いらしい」

「そ、そうなんだ…」

「故に女同士でも、まるで他人事のような差違があるという訳だ」

「うん」

「それに、どうにもこの期間は気が滅入ってなぁ」

「中には、言い知れぬ不安さを感じる者もいると聞く」


 そういうとまたお腹をさすりながら、ため息をつくルシアママ。


「ええと……ルシアママはそういうの、あるの?」

「私か? そうだな……」

「先程も言ったが、痛みに苛つき、情緒不安定になるな」

「だから出来れば放って置いて欲しい……だが寂しい──そんな所か」

「そうなんだ……」


 そういえば……アイナママもルシアママの不調を知ってるのに、

 とくになにもしないで、そっと距離をおいてる感じだった。


(あれは、そういうことだったんだ……なら)


 ぼくはルシアママのお顔を見ながら……


「ね、ルシアママ」

「ん? なんだ、クリス」

「ぼくでよければ、だまってるから……そばにいてもいい?」

「クリス……ああ、もちろんだ」

「えへへ、よかった──わっ」

「あぁ……クリスはほんとうに可愛い子だっ♡」

「やぁん♡」


 ぼくはそんなルシアママにぎゅぅ♡ ってされて……

 でも、ルシアママが寂しくなくなるまで、そうしてあげたいって思ったんだ♡


 ◇◆◆◇


「ふははっ 私……復活!」

「おぉう」


 数日後……体調の戻ったルシアママは元気いっぱい♪

 病気じゃないってわかってはいても?

 やっぱりルシアママが元気だと、ぼくもうれしい♪


「ふふ、ルシアが元気になって安心しました」

「ああ、アイナにも世話をかけたな」

「いえ……こればかりは仕方のない事ですから、気になさらず」

「そしてそろそろ、私も始まる予定ですので」

「ああ、クリスの【レッスン】は任せておけ♪」


 ルシアママがあの【講義】をしたことは、アイナママにも伝わってるみたいで?

 おかげでこんなお話も、ぼくの前でするようになっちゃって~


(な、なんだかナマナマしいなぁ)


 なーんて、ぼくが思ってたら?


「ですが、その……ルシア?」

「ん? どうした、アイナ」」

「その、たいへんいいにくいのですが……」

「なんだ? 私とアイナの仲ではないか、遠慮せずに言ってくれ」

「では、言わせてもらいますが……」

「うむ」

「最近の貴女は……とても【女臭い】のです」

「は?」

「なんといいますか……いつもより体臭が、その」

「ま、毎日湯浴みはしているぞ!?」

「いえ……そうではなく、おそらく【発情期】なのでは? と」

「はつじょうき!?」


 アイナママの衝撃的なセリフに、ぼくとルシアママが固まってると……


「アプリルさんに以前、伺ったのですが……」

「エルフには発情期があり、その期間は女性としての体臭がきつくなる、と」

「だ、だが……いままでそんなことは──」

「ええ、ですが貴女も以前、こう言っていましたよね?」


『そうした行為をすることで、身体が活性化する』


「なっ……」

「つまりここ最近の【レッスン】で、貴女もそうなっているのかと」

「とと、と……いうことは──」

「ええ……少なくともアプリルさんはもう、気づいているでしょうね」

「なんと!?」


 いわれてみれば……ルシアママからは、なんだか甘いにおいがしてる?


「そういうわけで、ルシア?」

「な、なんだ?」

「貴女はしばらく外出禁止です」

「がーんっ!?」


 ◇◆◆◇


 そうして──

 元気なのに、ステイホームを義務付けられたルシアママ。

 そのぶん、ぼくが【お相手】することになったんだけど……


(いえ、むしろぼく的にもご褒美です♡)

「や…やっぱりクリスには、勝てなかったにょ…♡」びくんびくん♡

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