日常の終わり


真ん中から

縦に裂けた

愛が

愛とかいう名前の

さっきまでそう自己紹介していた奴が

真っ二つだ

おれはそれをぼんやりと見つめながら

特に思うことは無い

何故なら愛はよく死ぬ

たまたま死に方が珍しかっただけだ

おれは一体いつまで傍観者を続けるつもりなのだろう?

椅子に座って

その居心地は良くない

何かやるべきことがあればいいのに

瞳に直視したくない現実をひたすら叩き込むこと

人生

目の前の謎の液体を躊躇いなく飲み干せ

話しはそれからだ

少年はおずおずと尋ねた

「集合場所はここですか?」

ああ

だがきみは参加すべきではない

何故なら身体を色々な方向へ折り曲げられて殺される

おれたちの頭上では星が連続で爆発していて

けれどその現象の真意を理解するのはずっと先のことだろう

今のうちに買い占めておけ

缶詰を

もうじき戦場になるぞ


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