運命の女神


運命の女神

苺を摘まむように

優しい手つきで

命を奪う

おれたちは必死で丸暗記するべきなのか?

彼女に気に入られる方法を

だが見せかけなんて通用しないだろう

あのいい匂いのする髪や笑顔に

けして騙されてはいけない

心の中には何も無い

おれは最後までおれたちになれず

霧散して行った

仲良し惨殺死体

心臓は勝手に裂けて元に戻らない

柔らかい電柱が起立し吠えまくる犬

誰かあいつを狂犬病だと認定し処分してくれないか?

この世に不思議なことなんて何一つとして存在しないとでもいうように

醒めている

現実がどれほど強固な土台の上に成り立っているのか思い出すように

だがしかし………

歩き出す

運命の女神の支配下で口笛を吹く

それがどんなに下手っぴに響いても構わない


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る