思い出


首吊り死体がぶら下がっている

あの日のいつかきっとがこうして実現されていることに深い感銘を覚える

おれたちは集合場所で爆殺されるだろう

そんな予感はしている

それなのに何とかなるなんてのんびりと歩いているおれたちは

救い難い存在なのか?

手足がもげたってへらへら

運命の女神は首輪を付けられ散歩している

おれたちのいない世界

そこではそれぞれに模した人形が動き回り

明らかに関節の動きは不自然だが誰もそのことに言及しないだろう

さっきまで展開されていたことがまるで遥か昔に行われたようなそんな気がしている

何もかもが過ぎ去って今はもうここには無い


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