第32話 食いしん坊の吸血鬼姫シャラ

その頃 本店 ののはな亭では・・・


「遅くなってすまなかった」リジャ 今日は黒い布で目を覆っている

「いえ、いつもご苦労様です」「有難う」早速 料理を始めるリジャ

厨房はいつものように活気に溢れていた

リリン リンリンリン

リリンリンリン 電話の可愛い音が鳴っている「はい ののはな亭です ご注文ですか?」


「ののはな特製洋風お弁当、同じく中華弁当ですね それと戦闘ヘルプですか? 了解です」

コンソールパネルのモンスターの強さゲージを確認しながら 答える


電話を取ったメイド姿の少女がエアリンに声をかけた

「エアリンちゃん 行けそう?」「うん 大丈夫」


注文を聞きリジャは・・

「ののはな洋風か テリーヌにはエビと白身魚をクリーム状にして ゼリーで固めたもの 

それにガーリンクで味をつけたチキンに・・ミニ・チキンパイと

オマールエビの切り身に 花びらのサラダ」


「中華は野菜入りの鳥そぼろの卵のあんかけ、チャーハンに 豚角肉の中華パン

カニ・シューマイ そぼろ肉とほうれん草たっぷり餃子 月餅 桃の餡 春雨

サーモンときゅうり、レタスの生春巻」

手がどんどん動いて 信じられないスピードで仕上がる 美味しそうな料理


「ほうれん草と人参の特注パンは焼けたか?」「後、少しです」


かまどの中をそっと覗く「人参パンの色合いがいいな」

ちょっと嬉しそうなリジャ

「あ、そろそろ 昼ごはんの時間だな まかない飯は何にするか」

キランン その言葉に皆の目が光る


「野菜入りのピラフとカレーと・・・モンスター肉の餃子 

モンスター肉と根野菜のアヒージョ 中華のふかひれスープ


アスパラガスを薄切り肉で巻いた煮込みとサフランの香辛料もあるからパエリア

いいか サラダは豆腐サラダとポテトサラダにしよう」


「デザートはレモンのシャーベットと林檎のタタン・タルト レモン・タルト

ナツメヤシ(デーツ)の果実で練って作ったマクルード」


「ああ、アーモンド・ミルクもあったけ 飲み物はそれもいいか」


それだけ言うと 手早く料理を作り始める

「さて・・と」

「シャラ姫ちゃんには 薔薇ジャムのマカロンも作るか

後、試作品のラベンダーアイス」リジャ


「リジャさん 私も薔薇マカロンにラベンダーアイス食べたいわ」アル 

「あの私もです」恥ずかしそうに言うルリン


女性陣の目がキラキラしている

「わかった 全員分作る 今度 薔薇ジャムか薔薇の花、ラベンダーを仕入れておいてくれ」


「ご飯まだ~~~」いつの間にか シャラ姫がリジャのエプロンを引っ張っている

「あの・・・」

「え!」「鍵は したよね」「ええ! 魔法陣の結界も今回追加したけど」

「ご飯 リジャあああ」カプ ちゅううううう~~~ごくごくごく


「すいません 俺 左ききで 左手を噛まれると作業が・・」ちゅうううううう

「また、聞いてないですね」 「ぷはああ 美味しかった ごくん」


「ほら 鶏の生きたのですよシャラ姫さま」「こちらはモンスターの大蛇です」

メイドの二人がリジャの事を心配して 持ってきた


それらを渡されたシャラ姫


それぞれ 籠に入れた鶏と大蛇 籠から出すなり

一度に両方を丸飲みする ごくんん!


「うっ!」「ひえええ」メイドの二人が震えている


震えているメイド二人に声をかけるリジャ

「すまん、慣れてくれ いや、きっと慣れるから」ちょっと涙声

いや・・やはり駄目かも知れない リジャの心の声


「ご飯は~~リジャああ」可愛い声 甘えたおねだりモード 


なお シャラ姫の今の気分はゴスロリ服だったらしく


青花の散りばめた生地のドレス ミニスカートの裾が膨らみ 

裾や襟元にふんだんに綺麗なレースがついている


頭には 同じ生地で出来た頭飾りのフリル 白のフリルの靴下 色を合わせた靴

姿とドレスだけ見たら とても愛らしく可愛い お人形のような愛らしさ


「少し時間をください」リジャ  すると カプ ちゅううううう~~

「頭も勘弁してほしいですが・・しくしく」頭が血で零れてドクドクと血が噴き出す


「はい まかない飯だ 悪いが盛り付けは任せた」リジャ 

頭からシャラは離れない

頭から噴き出す血  血がドクドク流れていた


「あの~手当は?」青い顔で他のコックが聞く

「後でする 悪いが 庭先の生きた鶏を この食いしんぼうの姫に渡してくれ」


「は、はい」

連れて来られた数匹の鶏の断末魔の絶叫!血を吸われ あっと言う間にミイラ化

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