そして、マンドラゴラは走り出した
あきかん
第1話
「何のために生きているの?」
街コンであった糞女の声が再生されて目が覚めた。今日も最悪の1日が始まる。
カーテンを開けて、窓を開く。日光の当たる場所へと鉢植えを動かして、水を与えた。
あのクソ女だって録な目的を持って生きている訳じゃねえだろ。なぁ、そうだろ。恋茄子。お前の慎ましさを世の中の女どもも見習うべきだ。
そもそも、何であんな合コンに参加してしまったのか。結婚願望なんか端からない。それでも、とりあえず相手を身繕へ、など余計な世話焼きの友人にセッティングされたそれは、最終的にあぶれもの同士が向かい合う悲劇を産んだ。
訳のわからねえ、女だった。開口一番に『何のために生きているの?』なんて聞く奴がまともな訳がねえ。それで奴は「私は人類を救うために生きている」だとか、「世の中を少しでも良くするために活動しています。」と、何かよく分からん事を言っていたな。何処の宗教勧誘だよ。合コンでそんな話をされてもいい迷惑だった。いや、普段ですら迷惑だが。
結局の所、自分はそんな奴しか相手にされないのだろう。だから、俺にはこいつがお似合いなんだと思う。そうだろ、恋茄子。お前は迷惑だと思っているかもしれないが、寛大な心でこれからもよろしくお願いします。
それじゃ、仕事に行ってくるよ。留守はよろしく。
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