第8話

真夜中、布団の中でスマホを弄っていると、ヒロさんから返信が来た。


「本当ですか!?話しかけてもらえてめっちゃ嬉しいです!」


予想以上のリアクションに驚いたが、6歳も年下の男性にこんな風に言ってもらえて、単純に嬉しかった。


どんなマニアックな趣味だったとしても、広いネットの世界でなら、仲間を見つけられるらしい。


ここから、ヒロさんとのやり取りが始まった。


くすぐりフェチは、大きく2種類に分かれる。

くすぐりたい人と、くすぐられたい人だ。

私は後者だが、ヒロさんは前者であるらしい。


現実の世界では決して共有できない話題の話し相手を見つけた私たちは、くすぐりプレイ談義に花を咲かせた。


「ガチガチに拘束されて、複数人に責められてるのが好きですね」


とはいえ、昼間の職場でこのようなメッセージを受け取ると、やや後ろめたいきもちにはなるのだけど。


ヒロさんの発言を受けて、私も後出しじゃんけんのように自分の変態性を明かしていった。

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