第97話 楓禾姫と稜弥と詠史と湖紗若と鈴となずなと瑠璃
「楓禾姫となずなが話をする中に、入り込んで行ける湖紗若を尊敬するよ(笑)」
瑠璃の海の砂浜にて、話をする楓禾姫となずなを、少し離れ場所から見守っている稜弥と詠史と私。
湖紗若の様子に苦笑しながら二人にそう言うと。
「チラチラと様子を伺いながら遊んでいる所が、さすがですよね」
感心したというような、詠史の言葉に稜弥と頷く。
「瑠璃殿も、邪魔しないように。空気の読める子ですしね」
唸りながら言う稜弥に、詠史と私も唸る。
「瑠璃ノ島も安泰だな。先程、お父上様と話をしたのだが。瑠璃の名前の由来は『瑠璃色の空.深い海のようにおおらかに』『透き通るような美しい.綺麗な心』だそうだ。湖紗若が『 繊細な感性を持ち
瑠璃ノ島を統治される事となった楓禾姫様を、心配そうに見つめられ。ご自身のこれからや、なずなを想い不安そうな表情されておられた鈴様が、湖紗若様と瑠璃殿の良い意味での大胆さや、おおらかさに、安堵された様子。私も同じ。
「楓禾姫様を詠史殿と供に支え、湖紗若様と瑠璃殿の事もお守りして行きますゆえ安心して下さい。殿様がこだわっておられましたね。鈴様の名前の由来は『純粋で綺麗な心』『人に愛され心優しき人』なずなは『心優しく人に愛を与え人に愛されるような人』そう、私にも話して下さいましたよ。お二人で力を合わせ、優しき心にて、稜禾詠ノ国の民に愛を捧げ愛される領主になられると確信致しました。鈴様。なずなと共にお身体に気を付けて下さいませ。
「ありがとう稜弥」
「殿様は、私にも話て下さいました。楓禾姫は『様々な事に恵まれて周りの人を和ませる事が出来るような人』『色彩豊かな実りある人生.大きな広い心で人々を導き羽ばたく人』稜弥様は『穏やかで人の和を大切にする人』『何かしらの際立った才能を持った人』私の名前由来は『周りの人を先導出来る人物』『文学や芸術に関心や才能がある人』です。三人の形。瑠璃ノ島の島民を広き心で導き、人の和を大切にして。楓禾姫を稜弥様と共にお支えし。湖紗若と瑠璃殿もお守りして行きますゆえ、鈴様もなずな殿を大切に。お二方共にお身体には気を付けて下さいませ」
砂浜にて男三人、膝を付き合わせ、向かい合い話し込んでいるのを。楓禾姫と、なずな殿が話を辞めて心配そうに見つめておられるのが視界の隅に写っている。湖紗若も瑠璃殿も。
「ありがとう詠史」
稜弥と詠史の暖かき言葉に。励ましに。勇気が湧いて来て。こなれからの不安な気持ちが少し和らいだんだ。
「 楓禾姫様、湖紗若、なずな、瑠璃!」
心配そうに私達を見つめている三人に。こちらに来るように手招くと。そばに近付いて来て、 腰を下ろして開口一番。
「鈴兄上様……大丈夫ですか?」
楓禾姫の心配そうな瞳。なずなはジっと私を見つめ。湖紗若と瑠璃は、可愛いらしい瞳にて、心配です。と言うように私を上目遣いで見つめて来て。
(全く……揃いも揃って純粋なんだから)
いや、心配されてしまう程に、私は不安そうな表情をしていたんだろうな……
「楓禾姫。稜弥と詠史と話し合ったのだろう? 不安そうな表情が決意の表情に変わっている。稜弥と詠史と仲良くな。ありがとう。私も決意を新たにした。もう大丈夫。なずなと仲良く頑張って行くゆえ、安心して欲しい」
(良かった……不安そうに揺れていた鈴兄上様の瞳。いつもの優しくも力強い瞳に戻っている)
湖紗若様を守りたかった……鈴兄上様も。 仲の良い兄弟を 赤の他人になど。愚かしい野心になど。 壊されたくなかった。二度と邪魔されたくなかった……
でも、私の決意で。鈴兄上様が不安を抱き。怖さを感じておられるのが痛い程に伝わって来たから。申し訳なくて……
『皆で守り合うのですよ』
戦いの前夜に 誓い合った言葉を呟くと。
鈴兄上様、なずな、稜弥様、詠史殿 が力強く頷いてくれて 。湖紗若様と瑠璃ちゃまが私を見つめて、ニコリと微笑んでくれたの。
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