第10話 それぞれの想い2(鈴)
鈴side
なずな……楓禾姫の
楓禾姫の乳母の娘。
睦月の二十五日に生まれた楓禾姫より、半年早く。*
まるで姉妹のように仲の良い楓禾姫となずな。
この……**
楓禾姫を慈愛に満ちた瞳にて見つめている、稜弥殿に、詠史殿……を。どこかぼんやりと見つめているなずな。
「なずな!」
「は、ハイッ! 鈴様っ」
「ハハハ。急に話しかけてすまなんだ。なずな。私はいつもそなたに感謝をしているのだ。楓禾姫の一番の理解者で居てくれて。湖紗若を慈しんでくれて。楓禾姫も、そなたにだけは胸の内をさらけ出し、頼りにしているしな。この先もずっと楓禾姫を頼むんだぞ」
「ハイ。鈴様。お約束致します」
そう伝えた瞬間。なぜか寂しそうな表情を見せたなずな……
なぜ? なずな……そんなに泣きそうな顔をしているのだ?
この時に芽生えた想いは……
なずなを守ってあげたい……
なぜか泣きたくなるような……不思議な感情の意味を。私の気持ちの変化を気が付かずにいたのだ……
*文月 七月
**伏魔殿 陰謀などが絶えず企くまられる場所
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます