第174話 そしてまたあの街へ
騎士団の方も
中の
「5日で
今日だけで今までの倍以上の魔物を倒している。私が200匹以上、リディナもセレスも100匹以上は倒しているから。
更に昨日、ギルドに寄っていないからその分もある。
回収した死骸が多すぎてそのまま出せない。だからトロル類やオーク類のような素材がお金になるもの以外は燃やして魔石だけにして提出した。
しかし死骸で提出したものだけでもとんでもない量。そしてその中には
これだけ出せばもう、物量で納得するのも当然だろう。ただこの後このギルド、死骸や魔石の整理、片付け等の作業が大変だろうな。そこだけは少しばかり申し訳ない。
若干疲れた表情の事務員さんがカウンターに戻ってきた。
「お待たせしました。魔物の方の計算が終わりました。金額及び計算書はこちらの通りとなります。ご確認の方、お願いいたします。
なお
事務員さんはそう言って計算書と褒賞金をこちらに差し出す。
「うわっ」
「うっ」
思わず変な声が出てしまった。なお最初のはセレスで2番目のが私の声。何せ討伐報酬だけで堂々の
とりあえず数を確認する。計算に問題ない。数も問題ない、確かに。
お金そのものの方はもう見た目にも問題ない。
「大丈夫だよね」
リディナがこっちを見たので頷いて見せる。
リディナは再びカウンターの向こう、事務員さんに向き直って頷いた。
「確認しました。ただ正金貨ではなく小金貨でお願いできますでしょうか。また小金貨2枚分は正銀貨でお願いします」
「わかりました。お待ちください」
確かに
大きい額面の硬貨は使いにくいだけではない。両替手数料を取られたりもする。だからその心配のない正銀貨に替えておくのは正しい。
それにしてもリディナは冷静だなと思う。私とセレスは金額の大きさに圧倒されて両替なんて思いつくような状態ではない。
「こちらで宜しいでしょうか」
リディナが慣れた感じで数を数える。
「はい、大丈夫です。フミノ、収納よろしく」
大金なのでなくさないよう直ちに収納。
なお私はアイテムボックス内なら何がいくつあるかを瞬時に認識可能だ。だから収納した金額も即座に確認。うん、金額に問題はない。大金だけれど計算書の通り。
「ご存知の通り褒賞金はどちらの冒険者ギルドでもお受け取りになれます。ですので1週間以上経った後、ご都合の良い場所の冒険者ギルドでお受け取り下さい。
今回はこの地方の懸案事項となっていました
うーむ、懐が潤った。魔法金属や普通の金属を買いこんで減った分以上に取り戻せた。
気分よく冒険者ギルドを出る。
「それでこれからどうする?
「フミノさんはラツィオでもう一度、魔法金属を購入した方がいいでしょうか?」
問題ない。
ただこの機会に私の希望を言っておこう。
「ライ君を作ったから取り敢えず必要ない。必要があれば取り寄せる事も出来る。
ただ、南に行くには寄り道になるけれど、行きたい場所がある。アコチェーノで買い物をしたい」
ラツィオへ行って、そして今回の
ただ、このルートは途中であの男爵領を通る。だから行くなら大回りして海沿い経由の方がいいだろうけれど。
アコチェーノで購入した間伐材、硬くて質が揃っていて使いやすいので重宝した。ゴーレムやゴーレム車、お家の改造で在庫がかなり減ってしまったので、少しばかり調達しておきたい。
それにフェルマ領には鉄鉱山もある。上手くいけば鉄も安く大量購入出来るだろう。
「セレスは何処か行きたい所、あるかな」
「特に無いです。アコチェーノってどんな場所ですか」
「田舎で何もないけれどいい街だよ。いつも使っているお家を手に入れたのもあそこだしね。
ついこの前出たばかりのような気もするけれど、もう半年近く前なんだね。アコチェーノに入ったのは夏だったし」
そうだ。あの頃はまだ暑い最中だった。
「なら行こうか、アコチェーノに。今から出れば今日中には着けるでしょ」
「途中にあの男爵領がある」
「もうあそこもフェルマ伯爵領だよ。あの男爵は廃爵になったみたい。ラツィオで読んだ公報にそう書いてあった。ほとんどの住民に逃げられたんだから領主不適格とされても仕方ないよね」
おっと、そんな事になっていたのか。
「知らなかった」
「貴族の配置換え、大々的に行われたみたいだよ。アレティウムの領主も代わっていたしね。何処に行ったかはわからない。伯爵家に名前が無かったから」
私の最初の拠点を追い出した領主か。伯爵家に名前が無いという事は降爵となったのかな。
まてよ、領主と言えば……
「カレンさんのところが何処の領主になるか、載ってた?」
「ううん、それはまだ載っていなかった。新しい貴族家を立てるんだろうけれどね。
それじゃ行こうか。あの街なら中で泊まれるから、門があいている間に入りたいし」
確かにそうだ。
あの元男爵領を通っていいなら2時間かからずにアコチェーノまで行けるだろうし。
ライ君とゴーレム車を出して、3人で乗り込んだ。
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