最終話

 エイデリアンさんに挨拶を終えたら、俺たちは直ぐにディルクロッドへと戻った。一応誰もいない時間帯を狙ってきてるが、見つかったら面倒だから。


 悔いはない。メリウスもしっかり気持ちを伝えることが出来たから、もう大丈夫だろう。


 最後はカレン。挨拶をしようと翌日にカレンと合流して、カレンの生まれ故郷である『ガラティア』という街に移動したのだが――――


「え!?お父様とお母様がいない!?」


「マジか……この時期に旅行……?」


 カレンのご両親――――マクロ氏とミリアム氏は仲が凄い宜しく、どこかのタイミングで一年に一回1ヶ月の旅行に行っている。と、カレンの屋敷にいた執事さんに教えてもらった。


 流石に旅行を追いかけてまで挨拶をするのは憚れたため、きちんと気持ちを込めた手紙をしたため、後日また挨拶をするという旨を伝えた手紙を執事さんに預け、ご両親の元に届けてもらうことに。


 ちなみに、カレンと結婚することについては執事さんにも話したが、ぜひよろしくお願いしますと言われた。


 一週間後。魔法手紙が俺の元に届いた。誰から来たのかと封を切ると、どうやらカレンからのご両親からだったので一緒に手紙を読んだ。


 簡単に伝えるならば、俺のことはカレンからよく聞いている~とか、これなら娘を安心して任せられる~とか、結婚式は上げてもいいけどカレンのウエディング姿は見たいからもう一回ガラティアで結婚式を挙げてくれ~だとか。


 いや、結婚式を二回挙げた人とか見たことないんだけど。というより、俺既に一回結婚式上げてるんだけど……。


 と、言うことなのでディルソフ家で静かに結婚式の真似事をした。新しくお嫁さんに加わるメリウス、カレン、ラミュエールに―――――


「待て、どうして二人がドレスを着ている」


「何故かと?それは私がご主人のものだからだ」


「私はほら、ティルファくんに身も心も捧げてるし」


 ティルと、本当に何故かマイ。この二人もウエディングドレスを着ていたのだ。


 結局二人と、周りに押し切られるような形となってしまい、二人は満面の笑みで俺のお嫁さんとなってくれた。


 総勢八名である。多すぎでは無いか?流石にここまでのハーレムは歴史上中々見ないぞ。


 まぁ、結婚したのならば、きちんと全員幸せになれるようにきっちりと付き合っていくつもりである。


 心配なのは、夜の事に着いてなのだが……うん。まぁなんとかなるだろ。神童だし俺……。


 ……ほ、本当に大丈夫か!?











 半年経った。


「おはよう、魔法使いを夢見る若者たちよ」


 ディルクロッド魔法学園は今日、新たに新入生を迎える。流石に今年は神童がおらず、特例クラスがなくなったため、俺と一つクラスの担任を請け負うことになった。


 ちなみに、勇者ことエリアスだが、なんとゴールインしたそうだ。結婚式の招待状も届いたため盛大に祝ってやったのと同時にこの学園の教師にスカウトした。流石に断られたが、育児の暇な時に来てくれるらしい。マジかあいつ。


「担任のティルファ・ディルソフだよろしくな」


「副担任のルーナ・ディルソフよ」


「同じく、副担任のアリス・ディルソフです」


 そして、俺たちは今日も、これからも、この魔法学園で教師をやりつつ、過ごしていく。



 やっと勇者が俺を追放してくれたので前々から誘われてた教師になった~勇者パーティーにいた2人も添えて~


 ~完~

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