第1話
魔神ビンスフェルトを倒してから三日が経った。一時期は世界滅亡の危機だー!とかなんか騒いでいたような気がするが、別に苦戦という苦戦はしなかったし、メリウスは神器に目覚めたし、大罪武器手に入るしで結局戦力が上がっただけだった。
そして、そんな俺たちが今何をしているのかというと――――
「行くよー!カレンちゃん!それー!」
「あはは!やったなー!」
「ルーナちゃん。私、砂に埋もれてもみたいです」
「え、本気?」
「ふふ」
バカンスを楽しんでおります。
元々はこの島に来た目的はバカンスだったし、世界を救ったんだから少し位英気を養うのもいいだろうということで遊んでいる。
幸いなことに、今現在泊まっている宿泊施設のオーナーからは無料でいつでも使っていいと言われているので、お金については心配ない。
まぁそんなに長くいるつもりもないけど。
現在の俺は、ラミュエールに膝枕をされながら皆が遊んでいる姿を眺めている。遊んでいない訳では無い。遊び疲れてこうしているのだ。
遊びんだ時間約30分。それで俺の素の体力が切れた。普段なら魔法で即回復させるのだが、こうした遊びとかはこういうのも醍醐味だと思う。
そして、俺よりも体力がなく、一足先に休憩していたラミュエールの元に戻り、膝枕をされている。
水着を着ているので、魅惑の生足が非常に心地いい感触が後頭部を包み、視界には彼女の白い魅惑のお腹に、主張をしている二つのお山が見えて非常に目の保養となっている。
そんな彼女の体に見蕩れていると、ラミュエールと視線が合い、綺麗な顔で微笑んでくれる。
うん、綺麗だ。
「ティルファ様。そんなに見つめられると照れてしまいます」
「悪いな。ラミュエールがあまりにも綺麗だからつい」
「もう……」
俺がそう言うと、控えめに頬をつねってくるラミュエール。しかし、全くもって痛くない。
……そういえばだけど、俺ってラミュエールもお嫁さんに加えることになったんだっけか。ビンスフェルトのゴタゴタがあって色々と忘れてはいたが、外堀ガッツリ埋められてるだったよな確か……。
「……あー、ラミュエール」
「なんですか?」
「……指輪、なんの宝石がいい?」
「―――――まぁ!」
「なるほど。ご主人様はこのようにして番を増やしているのか」
「うおっ!?」
「キャッ!?」
いつの間にか、俺たちの隣でティルがじっと見つめていた。彼女の今の姿は、何故かメイド服を着ていた。
「おまっ!?いつの間にか!?てかなんでメイド服!?」
魔法を使っていないため全く近づいてくる気配に気が付かなかった。視線を下にちらりと向けると、何がとは言わないが完璧に見えていた。
「む?私はご主人様のモノだろう?それに、メイドは仕える主人のことをご主人様と呼ぶのだろう?」
「いや、まぁそうだけど……」
スカートそんなに短くていいの?それ本当にメイド服?
「メイド……にしては些かスカートの丈が短すぎるような……下着が見えてますし」
「むぅ……。可愛くていいとは思うが」
いや、まぁたしかにティルにバッチリ似合ってはいるがメイドの丈はもっと長いだろうに。
ティルは立ち上がり、スカートの裾を摘んで目を閉じる。すると、丈がどんどんと長くなりふくらはぎくらいまでの長さとなった。
「これで大丈夫か?ご主人様」
「いいけど……それをなぜ俺に聞く?」
「なに、私だって乙女だ。気になるご主人様に興味を持ってもらおうとこうして好みに合わせている」
「……お前、俺に着いてくるのか?」
「お前が欲しいと言ったのはご主人様だろう?」
「いや、まぁそうだけど」
「なら、私の今の居場所はご主人様の傍だ。それに、私は既にご主人様にこの身を全て委ねている。私の中に満ちるご主人様の魔力は非常に心地よい」
「そうか……なら、改めてよろしくなティル。色々と頼りにさせてもらう」
「よろしくお願いします。ご主人様」
ティルは、俺の手を握って微笑んだ。
「そういえばご主人様」
「なんだ?」
「メイドというものはご主人様と夜伽をするのだろう?もしや、私もいつかあの番達のように激しく満たされ――――」
「お前その知識どっから仕入れている!?」
あと、メイドと主人の間にそんな関係はない!
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