第7話
「それでは、作戦の概要をもう一度確認する!」
メリウスが、無事に魔法を制御できるようになり、今まで以上の威力と効率で魔法が発動できると確認出来てから次の日、俺たちはいよいよ、作戦を決行する。
メリウスの枷が無くなったことにより、俺のオリジナル魔法である効果結界を発動できるようになったので、犯人を炙り出せるのだ。
「作戦は至ってシンプル。敵の攻撃が来たら結界で守る。その間に俺が犯人を見つけて拘束する。以上」
メリウスが魔法を制御できるようになったので、二人が怪我をする確率はゼロと言っても過言ではない。逆に、俺は今までの恨みからやり返さないか動画を心配している。
多分、大丈夫だと思うが……。
「なるほどね、それで今日は私たちのところに来たのね」
「そうだったんですね……あ、サンドウィッチ入ります?」
「貰おう」
と、言う話をしたのが朝の事である。襲撃者を油断させるために俺は離れないといけないため、今日はルーナとアリスの所で昼ごはんを食べている。
………いかんな。作戦は既に決行済みだというのに、この二人といるとそんな気持ちも忘れてしまう。
あ、なんかイライラしてきたな。せっかくこんなに可愛い嫁二人とのんびりとした時間を過ごしているのに、なんで八割ぐらいの思考は襲撃者のことについて考えているのだろうか。見せしめに一人くらいボッコボコにして送り返す?
二人の位置は既に魔力反応で位置を把握しており、いつでも転移で飛んでいける状態ではある。だからとっとと襲撃者現れろよ。そして全て忘れて二人とイチャつかせろよ。
「……まずいわ。ティルファの目から段々光が無くなっているわ!」
「あのクズ勇者のクレーム対応してた時に逆戻り中です!?ティ、ティルファさーん!」
アリスが俺の肩をガクガク振るが、俺はされるがままにしている。
「……なぁアリス」
「なんですか?」
俺が問いかけたことにより、揺するのをやめてくれたアリス。俺は、そんなアリスに対して――――
「襲撃者、全員殺ってもいいか?」
「ダメですから!捕まえて情報引き出すためにその作戦してるんですから、殺ったらダメですからね!」
えー?だめぇ〜?
「じゃあ癒してくれよアリス」
「へっ――――んむっ」
俺は、アリスの右手を掴み、こちらに引き寄せ、右手を腰に回してしっかりと捕まえたのを確認してからキスをした。
いつもよりちょっと積極的なスキンシップだが、今の俺は癒しを求めているのだ。
「―――んっ……んんっ」
赤い顔で恥ずかしながらも、俺のキスに可愛らしく答えてくれるアリス。それがどうしても愛おしくて、ずっと眺めていたいほどに可愛―――――
「ちょっと!ここ中庭で生徒もいるんだから自重しなさい!」
「あで」
「私まで!?」
ペシン、バチン!と音が響く。ちなみに、俺の方がペシンで、アリスがバチン!だった。アリスの方が痛そうである。
「な、なんで私叩かれたんですかルーナちゃん……」
「羨ましいからに決まってるでしょ!」
可愛らしい理由だった。
それなら、ルーナにもやってやろうかとアリスと言い合っているルーナの後ろに回り込もうとした瞬間――――
「お?」
――――魔法が発動された流れを確認した。これは、始まったか。
「ルーナ、アリス」
「了解よ」
「分かりました!」
この二人も、強くなるために人知れず訓練していることは既に知っている。アリスはマリナ様に手解きをしてもらい、ルーナはメルジーナ様に魔法を教わっている。
ぶっちゃけ、どちらも非常に心配(メルジーナ様はルーナを性的に襲わないか、マリナ様の方は病みオーラが出てこないか)だが、まぁ順調そうなので一先ず安心している。
今回二人には、襲撃者を捕まえる手伝いをしてもらう。あの二人以外からの魔力反応は、二人の近くに一つと、離れたところに三つほどか。
「アリスは二人に近いやつを。ルーナは離れたところにある一つを殺れ」
「分かりました!」
「アリス、今の『やれ』はニュアンス的に分かっちゃダメなやつだからね」
さて、ここまで俺や生徒に迷惑をかけたんだ。償って貰うぞ?一生分の辛さと引き換えになぁ!
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なんか久々にこの二人とのイチャイチャ(軽度)シーンを書いたような気がする。元々こういう風にしようとは思ってましたけど、嫁ヒロインの影が薄いなこれ。もっと絡み増やそ。
そして、ジェミニ杯はいつも通り、ラウンド2の洗礼を受け、Bリーグには何とか行ったものの、Aまでの道が果てしなく遠い。ウチのマックイーン最後の直線弱すぎなんよ………
あ、またまた新作出してますんで、宜しければそちらもどうぞ。題名長いので探してください。
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