反撃
第1話
俺たちが反撃にでるためには、まず最初にメリウスだけ、もしくはメリウスとカレンがいるだけという状態を作らなければならない。
昨日の一件で俺は警戒されただろうし、向こうの指揮をとっている奴が無能では無い限り、俺がメリウスの近くにいる間は何も無いだろう。俺だったらそうする。下手に人員を減らすだけだもんな。
だから、今回はわざと俺は離れ、メリウスとカレンの二人だけの状態を作り、俺は離れた場所から襲撃者を確保するという作戦になった。
しかし、これだとメリウスとカレンに危険が付きまとうので今日、そして結果次第では明日までメリウスとカレンにはとある魔法の習得に専念してもらう。
「俺がお前らに教える魔法は、結界魔法で、俺が作った防御結界を習得してもらう」
結界魔法。それに分類される防御結界を二人には覚えてもらうことにした。
防御結界だけなら、昔から既にあるのだが、物理攻撃だけを防ぐとか、魔法攻撃だけを防ぐとか、たった一つの効力にしか影響を持たない、俺から言わせれば欠陥もいい所だったので、改良した魔法がこちらの俺オリジナルの結界魔法となります。
「先生のオリジナル……ですか?」
「でも、防御結界ってもうあるんじゃなかったっけ?」
「バカバカ。あんな欠陥と俺のを一緒くたにするな。俺の防御結界は、遮断するのを設定できるんだ」
名付けるならば、効果結界とでも言うべきか。遮断したい効果を設定すれば、人や物理、魔法だって跳ね返せるし、その気になれば音とかも遮断できるようになる。
まぁその場合、結界の中が真空になるので絶対にオススメしないが。
俺はパチン!と指を鳴らすとこ効果結界を発動させる。
「よし、とりあえずカレン。俺に向かって魔法で攻撃してみな」
「は、はい………
カレンが名前を言うと、五つの火の玉が俺に向かってくるが、それは全て俺が作った結界にあたり、爆散する。
「と、まぁまだ魔法でしか実践していないが、二人にはこれを習得してもらう。どちらかが必ず発動出来るのが目標かな」
俺みたいに指パッチンで発動できるとまではいかないものの、せめて声に出すだけで発動まではいってほしい所。そうしないと間に合わない。
別に、俺が離れたところから二人を援護してもいいけど、俺の魔法が二人を守っていると気付かれたら、更に長期戦になりそうだからな。それはやめておく。
「で、でも。これって先生のオリジナルなら、魔導書ってないんじゃないんですか?」
「まぁないな」
だってこれ、広める気なんてサラサラないし。
魔導書とは、魔法使いが魔法を覚える際に一番最初に目を通すものである。魔導書には、魔法を発動させるための詠唱と、効果、属性が詳しく書かれており、それを詳しく知ることにより、魔法の知識が高まり、正しく発動することが出来る。
そして、人が魔法を発動させるまでのプロセスは、別にそう難しくはない。何せ詠唱すればいいだけだからな。威力は目も当てられないくらいに弱いが、そこからコツを掴んで威力をあげる、もしくは無詠唱にするは本人の努力次第である。
しかし、この世にはその魔導書よりも効率のいい教え方が存在する。
「カレンは、魔法を使う際に家庭教師はいたか?」
「はい、いました。とても腕のいい先生でした―――あ、でも!ティルファ先生の方が素敵です!」
「おう、ありがとなー」
別に、今そんなことは聞いてないけど……まぁいいや。それでカレンのモチベが上がるなら。
「最初は、家庭教師に触れてもらいながら魔法出したろ?」
「そうですね。先生が手伝ってくれている時は魔法の発動が一人でするよりもスムーズで、効果も上がっていました。先生にどうして?と聞いても、説明するのが面倒と言われて教えて貰えませんでしたけど……」
「まぁそうだな。実際説明するのはくそめんどくさい」
あれってうまく説明出来る人は少ないと思うのよ。昔は詳しく説明していたらしいが、今ではもう「そういうもん」として扱われている。
だかしかし、ここではきちんと理解してもらうために説明しようと思う。上手くできる自信はない。
「とりあえずカレン。こっち来い。メリウス、ちゃんと見ておけよ」
「は、はい!」
メリウスが頷いたのを見てから、俺はとりあえずカレンに触れる。下手なところを触るとアウトなので、無難に肩に触れる。
「人が詠唱無しで魔法を発動させるためには、その魔法に対しての充分な知識、注ぐ魔力量、そしてイメージが必要だ。知識は教えたし、カレンは魔法を名前を言うだけで発動できるからな、とりあえずカレンは結界って言うだけでいい」
「はい!………行きます!結界!」
「!」
カレンが結界と言った瞬間、俺は魔力をカレンへと流す。その瞬間、メリウスの目が大きく見開かれるのと同時に、しっかりと効果結界が発動された。
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芝3000mのワールドレコード叩き出したお馬さんが実装ですか、そうですか………。
ほら、読者の諸君。待ちわびたか?
ガ チ ャ 報 告 会 の お 時 間 だ。お昼を超えたら爆死した人も、天井した人も、当たった人もおいで。盛大にコメントを見て笑ってあげよう。
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