第12話
「さて、もう既に二回も襲撃を受けてしまっている訳だが………」
現在、魔法学園最上階にある特例クラスの教室にて、俺は教壇に立っている。前には、メリウスと暫定的にこのクラスにいることになったカレンの二人。
何故カレンの席がここにあるかと言うと、今朝の朝食時に、姉さんにカレンの特例クラスへの移動の打診をしたからだ。兄さん相手に五分は普通にいい腕前だし、実力だけ見れば、学生のレベルを優に超えている。カレンがここに何年いるかは知らないが、この学園の土地性についても慣れているみたいだしな。
「すいません、先生……私のせいで……」
「気にするなメリウス。生徒を守るのが先生の役目だ」
ここに来るまでで二回。二回も奴さん達はメリウスの殺害を計画してきた。全部返り討ちにして、ついでに土産も残しておいたのだが、多分意味は無いだろう。
バックにいるやつはとんでもなく大物なんだろうなぁ。唯一の手がかりなんて、あの
姉さん達も動いてるようだが、まだ初日だしな。そう焦っても成果は出ないことは分かっているが……正直めんどくさい。
「先生、どうしますか?」
カレンがそう聞いてくるので、顎に手を当てて考える。いや、ほんと。どうしようかねぇ……。
今は、この階全体に俺の防御結界を張っているので、襲撃の心配なんて直接乗り込んでくるしか方法はないからな。相手も逃げるのが上手いし、完全にしっぽを掴むまでには時間がかかるだろう。
「そうだな……メリウス」
「はい」
「お前はこの事態、早く終わらせたいと思っているか?」
今、俺の頭の中にあるプランは2つだ。このメリウスの返答次第で、どっちをやるかが決まる。
「そうですね。やっぱり、早く終わらせたいです。そのためなら、私はどんなことだってやります」
「そうか………」
それじゃあ、決まりだな。
「そしたらメリウス、カレン。俺が今から伝える作戦は、少し怖い目に合うと思うが……いいのか?」
教師の名にかけて、絶対に怪我にはさせないが、ちょっとは恐怖を覚えるかもしれない。
「大丈夫です。先生が守ってくれるだけで、私は頑張れますから」
「私も!私も、先生のためなら!」
「わかった。そしたら、作戦決行は明後日……合格基準に早めにたどり着いたら、明日やるぞ……打って出る。不届き者に、誰に手を出したか解らせてあげよう」
「「おー!!」」
俺たちの反撃が始まる。
「なんだと!?」
時は遡り、昨日の夜。フォレストキシニョフにある館で、ガレオンは部下からの思わぬ報告に、上機嫌で飲んでいたワインを入れていたグラスを握力で粉々にしてしまい、服に液体が染み込む。
「バリオンが死んだだと!?間違いは無いのか!」
「は、はい!我々でも確認しましたが、どうしてもバリオン様の魔力反応が確認できず……」
ガレオンは、その事実に頭が沸騰しかけたが、何とか頭を冷静にさせようと、ソファに深く腰掛ける。
「………我々は、少し見誤っていたのかもしれんな」
「ガレオン様?」
「少々作戦変更だ。お前たちには悪いが、少々根比べとなるが、いいか?」
「お任せ下さい。ガレオン様の為ならば、我慢など余裕です」
「フッ、頼もしいな」
「して、如何致しますか?」
「あの教師がいる時は、無能姫には手を出すな。教師ならば、常に生徒と一緒というわけじゃないだろうからな。離れたタイミングを狙え」
「御意に」
一人の姫を中心にして、物語は動き出す。
この作戦が吉と出るか凶と出るか。それはまだ、誰にも分からない。
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今日は原神とPSO2のアップデートとか、楽しみすぎてつらたん。今日からテストじゃなければ歓喜ものなのに………許さん。一緒にPSO2NGSしてくれる人いないかなぁ?
そして、明日はウマ娘のアップデートっしょ?誰が来るのよ。エイシン?アドベ?カフェ?
新作の方もよろしくお願いします。
『キミは、世界で一番すごい英雄さん』
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