第4話

「せ、先生!一体何が……!」


「俺にも分からん。だが、明らかにあの銃弾は俺たちに向かって放たれていた」


 魔法銃だったからこそ、俺が俺たち以外の魔法反応を感知でき、対処することが出来た。そして、明らかにメリウスを狙った前方からの一撃。


 どこの刺客は知らんが、今頃、天翔る雷の槍ブリューナクの餌食になって、ビクビク体を震わせているハズだ。


 あとは、そこから魔力反応辿って刺客を補足して尋問するだけ―――――!


「……チッ」


 逃げられたか。失敗した時の対策もバッチリだな。魔力反応が追えない。恐らく、転移魔法で遠くまで飛ばしたんだろう。この街全体だったらしっかりとマーク出来るが、それ以上の範囲は流石に無理。


「二人とも、大丈夫か?」


「は、はい。私は大丈夫です」


「私も、特に怪我はしてないです」


 後ろにいるメリウスとカレンに念の為に回復魔法をかけておく。骨が折れるくらいならば、俺だって完全に完治させることが出来るからな。これで大丈夫だろ。


「とりあえず、このことは学園長に報告だ。また狙われるかもしれないから、二人は一緒に来てくれ」


「わ、分かりました!」


「分かりました」








「………失敗だと?」


「も、申し訳ありませんガレオン様。あの姫に付いた新しい教師が、なかなかやるようでして……3000m離れた場所からの狙撃を見事に防御され、更には手痛い反撃を喰らいました」


「なんだと………?」


 フォレストキシニョフにて、ガレオンは持っている通信機を握りつぶしそうになったが、壊れたらまたこれを準備する資金と時間がかかる。それはめんどくさいので、なんとか耐えたガレオン。代わりに、持っていたワイングラスが割れた。


「も、申し訳ありません!」


 そして、その音を聞き、怒っている勘違いした通信機越しに慌てて頭を下げた。


「いや………よい。しかし、3000mの狙撃を見事に防御……」


 ガレオンは、顎を撫でる。別に、ガレオンもこれで終わるとは思っておらず、失敗をした時ようにまだまだ案はいくつか残っている。


「ならば、その教師がいない時を狙って作戦を実行せよ」


「了解しました。ガレオン様のために」


 その言葉を最後に、通信機は輝きを失い、通話の終了を知らせた。


(………中々、厄介なことになるかもしれんな)








「うん、私の方でも感じたよ。誰かがメリウスちゃんの事を狙っているようだね」


 念の為、また狙撃されることがあるかもしれないので、周囲に結界を張りながら学園長室へとやってきた。そして、出迎えた姉さんは、「いらっしゃい」と言うと、まるで俺達が来るのが分かっていたかのようにテーブルの上には、三つほど紅茶が準備されていた。


 ズズズ、と一口飲む。美味い。


「わ、私のことを………」


 ストレートに姉さんから聞かされたメリウスは、顔を青くし、プルプルと震える。それを、反対側にいたカレンが心配し、メリウスの手を握った。


「内通者がこの学園にいる可能性があります。外部からの狙撃なんて、普通は出来ませんから」


「この学園の周りは、部外者の侵入を一切禁止する結界があるから、そう考えるのが妥当か………」


 部外者と言っても、この学園に通っている生徒の親や、この学園に用事がある人の来校ならば、内部の許可が通れば学園内に入ることが出来るので、それを利用したのだろう。


「生徒が狙われるなんて由々しき事態ですから、この件については教師全体で把握したいと思っていますが……いいですか?メリウスさん」


「わ、かりました……」


「メリウスちゃん……」


 命が狙われると聞いて、不安に思わない人間なんて極小数だろう。俺とか姉さんとかだったらさ……ほら、強すぎて逆に返り討ちにしちゃうけど、メリウスはまだ学生だ。


「メリウスさん」


「………はい」


「これから貴方の命を守るために、ティルファを常に傍に置こうと思っているのですが、よろしいですか?」


「先生を……?」


 不安に揺れるメリウスの瞳が俺を見つめる。


「ティルファも、いいですか?」


「勿論」


 人の命の危機だって言うのに、この状況流石に見過ごせない。


 それに、関わってしまった以上、俺がしっかりと守ってやらないといけない。


「わ、私も!私もメリウスちゃんを守ります!」


 ビシっ!とカレンがメリウスの横で手を挙げた。


「先生と比べたら微々かも知れませんが、せっかく新しく友達だもん!命を狙われてると知って見過ごせないです!」


「カレンちゃん………」


 と、メリウスが感動したような目でカレンを見た。


「そうね。カレンさんの心意気は素晴らしいと思うわ。是非、ティルファと力を合わせてメリウスさんを守ってあげて」


「は、はい!頑張ります!」


「頼んだぞカレン。俺が近くにいない時はお前が守ってやれ」


 この学園の生徒は殆どが寮暮らしをしているため、流石にプライベートの時間まで俺はメリウスのそばにいれないからな。


「それではカレンさん、メリウスさん」


 姉さんが、二人を見つめると、笑顔で言った。


「今日から、安全のために暮らしてくださいね。問題が解決するまで」


「え?」


「え?」


「…………ん?」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんでワイがピックアップガチャ引く時はピックアップ対象が出ないの……?


いや、嬉しいよ?ルドルフは普通に欲しかったよ?


でもさ、違うじゃん。俺が欲しいのはマヤちんなの。分かる?当たらなかったから那珂ちゃんのファンやめます。


なんか、この調子だったら一生ピックアップガチャで対象が当たらない気がするんで、頑張ってマンハッタンカフェ来るまで石貯めます。もうこれ何回宣言したいんだろな

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る