第6話
その後、会場まで案内するねといったマリナ様の後をテクテク着いていき、マリナ様が止まった所は、今まで俺が一度も来たことがない部屋だった。
どうやら、マリナ様曰く『会議とか重要な話し合いの時はここであるの』らしく、コンコンコンと三回ほどノックをしてからマリナ様はドアを開けた。
「連れてきましたよ、メルジーナさん」
「お疲れ様、マリナ。後で存分に可愛がってあげるわね」
部屋に入った瞬間、まっすぐにメルジーナ様の元へ向かっていったマリナ様。その様子に、俺はマリナ様のお尻ら辺に尻尾のようなものが見え、頭を撫でられた瞬間、それがブンブンブン!とものすごい勢いで左右に動いているのを幻視した。
………何だあれ、幻覚?
「ティルファ、こっちこっち」
俺は俺で学園長と書かれた紙の所に座っている姉さんに呼ばれ、そちらの方向を見るとその隣には『神童枠』と書かれた紙が置いてあった。
………あの、だから神童枠ってなんです?
「それじゃ、全員揃ったことだし、悪魔対策会議を始めるわね」
と、メルジーナ様が言い、指を鳴らすと部屋の明かりが消え、会議室の真ん中に置かれていた丸い球体のようなものからなんかでてきた。
「……何あれ」
「初めて見ました」
俺の両隣にいるアリスとルーナがボソリと呟く。ちなみに、俺は顎に手を当ててほーというリアクションをしたが、あれは俺も全くもって知らない。
そんな二人に姉さんが説明をし始めた。俺もこっそり聞いとこ。
「あれはね、
ほーん、なるほどねぇ。
「現在、この街でちょっかいを起こしているのは闇商人のウルゴス。黒マントで体全体を覆い、顔に仮面を被っているどことなく小物臭がするおバカさん」
うん、合ってるな。
「それで、そのウルゴスが呼び出した悪魔が、未来を見通し、因果律を操作すると言われているラプラスの悪魔……情報はあっているかしら?」
チラッ、とメルジーナ様が俺に目配せしてきたので頷く。なるほど、俺が呼ばれたのはあいつの情報をもっているからか。
「なら良かったわ……それでティルファと、エリアスだったかしら……二人は、この悪魔……倒せそう?」
と、じーっとこちらを見てくるので頷く。
「余裕ですね。未来を見通して魔法を躱してくるのは面倒ですが、それだけです。ウルゴスも雑魚ですので、何も問題は無いかと」
「分かったわ、そしたら私やフィアンでも倒せるという事ね」
そうなりますね。メルジーナ様も姉さんも神童ですから。なんら問題ないと思います。
「それで、そちらの勇者さんは?」
「問題ありません領主殿。あのような俗物、私一人でも余裕でございます」
一瞬誰かと思った。右手を胸に当て、めちゃくちゃキリッ!とした顔でメルジーナ様に宣言していた。うん、まぁあいつの実力なら悪魔やウルゴスなんて余裕だろうけど………。
「その喋り方、気持ち悪いから元に戻していいわよ?」
「………………なんだこの女」
「まぁまぁ」
一瞬、言われたことが分からなかったのか放心したが、その後、その皮を剥がしたのかポツリと呟いた勇者をあの痴女……ええと、確かレジーナだったけ?が宥めている。
罵倒や痛みで気持ちよくなる変態だけど、あの二人意外といいコンビなのかもな。出来ればそのまま続けて言って俺たちにもう関わらないでほしい。
「それじゃ、この元凶の討伐は二人に任せてもいいかしら?」
「問題ねぇ。あいつと一緒ってのは癪だが、このクソ商人は個人的にも許せねぇからな」
「このアホと同意見ってのは癪ですが、俺も大丈夫です」
瞬間、また俺とクズの視線が合い、自然と睨み合いになった。レジーナが勇者の顔を強引に胸に押し付けたざまぁと思いながら視線を逸らした。
その後も会議続いた。迎撃をする時にはどこがいいかとか、襲撃のタイミングはどの辺になるかとか。ほとんどが魔法三家の当主たちの話し合いで、俺やクズ、姉さん達はできることがなかった。
二時間ほどで会議は終了。俺とクズは早速あのウルゴスの襲撃に備えるために、久方ぶりに行動を共にする事になった。
「おいゴミ」
「なんだ役立たず」
「お前、原罪探知使えるだろ?それでアイツの居場所分かんねぇのかよ」
「会議中に使ってたが、原罪探知はそんなに便利なものじゃねぇ。だいたいこの辺にいるということしか分かんねぇから正確には無理だ」
「なんだ、結局お前の方が役立たずじゃねぇか」
「あぁ!?」
「…………これ、ほんとに大丈夫なの?」
「あはは………」
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カレンチャン当たった人この指とーまれ!作者はまだ五回しか引いてません!
カラオケ行きたい、うまぴょい伝説歌いたい
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