やっと勇者が俺を追放してくれたので、前々から誘われてた教師になった～勇者パーティーにいた二人も添えて～

謎の人物

第1話

　魔法三家とは、ディルクロッドで最も強い特色を持つ、貴族のことを言う。

　新たに独立し、王となったディルクロッド家の特色は『殲滅』。名前の通り、一人で一騎当千以上の働きをし、現当主『神童』であり、他国から『氷の女帝』という二つ名で呼び恐れられているメルジーナ・ディルクロッド様はその気になれば一つの街………それこそ王都くらいなら一夜で氷漬けにできるほどの力を持っている。

　しかし、彼女の普段の性格は温厚なため、余程のことや、彼女の逆鱗に触れることさえしなければその力が振るわれることは無い。

　次に、『治癒』の特色を強く持つマックイーン家。一家全員が回復魔法を得意とし、部位欠損まで完璧に治してしまうという神の御業と言えるべき技を持っている。

　また、マックイーン家からは勇者も輩出されているので、魔法だけではない面も優秀である。

　最後に、俺たち『万能』の特色を持つディルソフ家。ディルクロッド家よりは強い魔法は使えず、マックイーン家よりも癒せる力は持っていないが、その力は全てに通じ、総合力では両家を上回っているとか上回っていないとか。

　そして、神童と聞くと普通一人なのでは？と思うかもしれないが、それは他国や、他の街の常識。俺たちの街ーーーーじゃなくて、国では一世代に複数の神童が産まれる時もある。

　メルジーナ様しかり、マックイーン家のアイリーーーあぁ、マックイーン家の長女しかり、姉さんだったり俺だったりと、この世代は豊作なのだとか。

　しかし、この街の住む人達に野心なんてものはなく、とりあえず魔法で快適に暮らせればそれでいいというスタンスなので、こちらから戦争を仕掛けることは無い。

　まぁ？向こうから手を出してきた場合にはどうなっているか知りませんけどね。

「戻ったか」

「ただいま」

　俺は現在、父であるイザーク・ディルソフの執務室にて、帰ってきました報告をしている。ディルソフ家の敷居を跨ぎ、馬車から降りた瞬間、姉さんがーーーー

「それじゃ！私たちは女子会ならぬ嫁会してくるね！」

　と言い、アリスとルーナを引っ張ってしまったため、今頃どこかの部屋で嫁会とやらをしているのだろう。

　なんという、この恥ずかしさ。

「お前の事情はフィアンから聞いている………頭の方は大丈夫か？」

「んんんん？父さん？」

　その言い方、まるで俺の頭がおかしいかのように言うのやめてくれない？もっと誤解がないように言わないと。

　と、ジト目で父さんを睨んでいたら、紅色の瞳をハッとしたかのように見開いた。

「すまん、髪は大丈夫か？主にストレスで」

「うん、なんとかギリギリかな………」

　ディルソフ家の当主、イザーク・ディルソフ。

　薄赤色の髪に紅色の瞳で、40を超えた今でも充分にイケてるおじさん部類に入る美貌。まだ20代で充分に通じると思う。

　妻を三人ほど娶っており、それぞれから俺、姉さん、兄さんが産まれていて、兄さんが父さんの遺伝子を濃く受けていて、俺と姉さんが母親の方の遺伝子を濃く受けているため、顔立ちとか、髪色は全くもって似ていない。

「話は聞いている。フィアンの元で教師をするんだろう？」

「うん、まぁ一応その予定……だけど、どうもそうはいかなくなってね」

「言ってみろ」

「あぁ、最近、俺たちがよく闇ギルドに狙われているんだけどさ……」

　ここに着くまでの間、計四回ほど闇ギルドの構成員が襲ってきた。客も俺たちしかいなかったしちょっとルート外して思いっきり行きません？的な提案をして(なんだかんだ御者さんと楽しんでた)正規ルートとは全くもって違う道を行ったんだが、行く先いく先闇ギルドのヤツらが襲ってくる。

　まるで、監視か、未来が分かっているかのように。

　しかし、魔法であるなら監視であろうが未来が分かろうが、俺にはそんなもの聞かない。まず見られていたら違和感を感じるし、未来でも覗こうものなら、そもそも魔法がその発動を拒否する。神童とはそういうものだ。

　それじゃあアリスとルーナを見ればいいんじゃと思うかもしれないが、二人には俺の魔力がこもった指輪をはめてたし、御者さんや、馬は俺が結界を張っていて守っていたから問題は無い。

　そして、尋問する度に出てくるウルゴスとかいう謎の闇商人。そして、フワンナの街で見かけた、世界情報誌という、直近で起こった事件やら報告がまとめられている本で見かけた、あのにっくき勇者が見つけた闇ギルド構成員の積まれた大量の死体や、死体の下から覗く不気味に輝く魔法陣。

　あれはどっからどう見てもーーーーー

「悪魔サイドに関わっている、又は身を落としたかのどちらか……俺はそれを解決するまで学園の教師にはなれない」

　だって俺のせいで生徒が巻き込まれたら嫌じゃん？

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

はちみーはちみーはっちみー。さぁ！みんなお待ちかね、あとがきタイムが一日の始まりを教えるぜ！

まず、昨日のパカチューブの生放送見た？ユメヲカケルが神曲すぎて………はい、見てない人もいるかもしれないんでネタバレはやめときましょう。

そして、昨日だけでサークルに入ってくださった方ありがとうございます！ほんと、なんも制限とかないんで伸び伸び楽しくうまぴょいしていきましょう！ずしゅんどきゅん

そして、今日の12時からガチャ更新のお時間……ぽまえら、石の貯蔵は充分か？ならば俺の背中のあとに続けぇぇぇぇぇ！！