第11話
時は少し遡り、昨日の深夜……。
「クソがっ!!」
ドガン!と宿の備品である椅子を蹴り飛ばし、今日あった出来事のストレスを発散させようとしたが、それだけでは到底足りない。
昨日今日と、泊まりがけだったので、ストレスの捌け口でもある女は漁っていないので、発散できないストレスがイライラとなって溜まる。
「ティルファ……ルーナ、アリス……絶対許さねぇからな……」
勇者の頭の中には、三人に対する怒りでいっぱいだ。エリアスは、生まれてから一度もこういった経験をしてこなかったので、耐性が低い。
「おやおや、随分と荒れていますね、勇者様」
「っ!誰だ!?」
その時、荒れていた勇者の耳に聞きなれない誰かの声。慌てて声の発生した窓に目をやると、いつの間にか空いていた窓枠に、二本足で立っていた男を睨みつける。
「おやおや、怖い怖い。そんなに睨まないでもよろしいではありませんか」
「……貴様、誰だ?早く要件を言え。今俺は腹の機嫌がすこぶる悪い。殺されないうちにとっとと消えな」
「おやおや、勇者様は随分と短気なご様子……ならば、要件を言いましょうか」
バサァ!と大仰にマントを払った男は、恭しく胸に手を当てて一礼した。
「私、とある商会で商人をやっております、ウルゴスと申します、勇者様のご要件はーーー今現在、あなたが怒りを感じている元の仲間についてです」
「ーーーーなに?」
当然、反応すると思っていたウルゴスと名乗った男は、ニヤリと仮面の下で笑う。
「復讐………したくはないのですか?自分をコケにしたあの三人に、復讐を」
「……復讐だと?」
エリアスの目が細まる。
「えぇ、復讐です!あの三人に復讐すべく、僭越ながら、私の商会がお力添えをーーーー」
「ーーーーアスカロン」
「ーーーーほへ?」
さてさて、もう一度言うが、エリアスは本性はどれだけ腐っていようが、『勇者』である。
エリアスのその手に抜き持った聖剣の輝きに、ウルゴスは目をぱちくりとさせ、変な声を出した。
「ウルゴスとやら、お前は何かひとつ勘違いをしている」
勇者に求められるのは、聖剣に適合する資格と、一定以上ある民や国に対する正義の心。
簡単に言うなら、悪は必ず許さないという心構えである。
「俺がイラついているのは何もティルファ達のことだけでは無いーーーーあの役立たず相手に何も出来なかった俺に対しても怒りを覚えている!」
聖剣の輝きが増していく。ウルゴスの汗がダラダラと流れる。
「俺の本性がクズ野郎でファッキン勇者のなのは認めているがーーーー」
(み、認めているのですかっ!?)
「ーーー腐っても俺は勇者だ。俺なりの正義で奴らの方から地面に頭を擦り付けて謝るまでが、俺の復讐だ………それをたかが闇商人如きが邪魔するんじゃねぇ!!」
アスカロンは別名、
「唸れ聖剣ーーーー」
(っ!さ、流石にまずい!)
聖剣に、サイクロプスを屠った時以上の光が集まる。
「
と、多大な演出はしたが、範囲はきちんと制限し、街に当たらないように空へ向けた一撃が天へと登る。
「……チッ、逃がしたか……」
(ティルファの野郎共は後だ……あいつは、何故かやらかしそうな気がする)
「そう言えば」
「んあ?」
朝、アリスの膝枕に有難く癒されていた俺。ウトウト眠気が誘ってくるが、まだアリスの膝枕堪能したい!という気持ちが湧き上がり夢と現実をうつらうつらしている俺に、ルーナが話しかける。
「ここからティルファの故郷のディルクロッドまではかなり距離あるわよね?どこに途中よるのか分かってるの?」
と、俺の手をニギニギと握りながら喋りかけてくるルーナの質問に、よっこらせと上半身を起こす。
「俺たちの1週間ある馬車旅だが、よる都市は二つ」
俺は、二本の指を立てた。
「まず、何やら珍しい料理や、食材たちがあって、この国一の美食街と言われている街、ジャパニカだ」
「珍しい?」
「そうそう、何やらオコーメとかいうのが主食で、なんか珍しいけど美味しい的な料理が沢山あるんだ。俺はよく知らないけどな」
視察に行った姉さんが凄い興奮して俺に話しかけてきたことは覚えている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ごめん……作者あまりなろうの追放系読んでないからよく分からないの、本当にごめん。
まぁ?別に作者なんて普段ノリとノリとノリでと軽いプロットで小説書いてる趣味人ですから。星一評価レビュー来ても、「お、こんな作品に星入れてくれてありがとうございます」ポチッ的な感覚でいいね押してますから、特に気にしてるという訳ではありませんよ?
き、気にしてねぇから…………。
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