新約 Great's Bird
@syu-inononn
序幕
ーーーーホウホウ。
暗い森の中、仲間たちの歌声が聞こえる。
ーーーーホウホウ。
仲間たちの優しい歌声で、わたしはまどろむ。
わたしは仲間たちの長、そして、この森の防人(さきもり)。
この森で怖いものはない。
ふと妙な男の声がした。
「これはこれは、美しいお嬢さん。あなたにお願いがあるんだがいいかな?」
----なんだろ?
それにしても、不味そうなネズミだ。
「あらあらネズミさん、お願いってなんなのかしら?」
「このオレサマをネズミ呼ばわりとはお嬢さんも人が悪い」
「ここで悪さをする弱い奴はみんなネズミ。つまり、わたしのご飯よ」
わたしははっきり応えた。
それは事実だから仕方ない。
「そうかい?それは知らなかった。オレサマは悪さをしにきたんじゃない。お誘いにきたんだ」
「何のお誘い?」
「簡単に言うとオレサマがこれから演出を行う舞台の主演女優をお願いしたい」
わたしは言っている言葉の意味は理解した。
ーーーーこの男の真の目的はわからないが、
わたしとの利害は一致しそうだ。
「ふふふ。大それた内容ね。お代はタダじゃないわよ。引き受けたら、わたしのお願い事聞いてくれる?」
「もちろんだ。言ってみるといい」
男はニヤリと笑った。
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