第314話「ダンジョン10層は夢の国?タチの悪いミッ○ー達」

相変わらず鑑定ないようにはダンジョン固有のよく分からない表記があるが………


 これは何かと質問する時間さえ今はない。



◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇


・迷宮深化条件 312/500


・固有個体発生討伐率 0%


ラットマン(戦士)

(通常種・人型鼠系統・小型種)

(別名: 鼠人間)


『使役可能個体』 第一次系統進化個体 

・ステータスには個体差、系統差あり。


LV.12 HP.60/60 MP.20/20

STR.26 ATK.46 VIT.16 DEF.38

INT.15 REG.26 DEX.38 AGI.49 LUK.41


特殊能力


 『憎悪』

  ……全ての敵を憎悪する


 『狂化』

  ……狂化『戦闘が終わるまでSTRがup』


スキル


『狂化』


特殊ステータス


『憎悪』


    条件により使役可能

 捕縛の魔物罠、使役強制スクロール、

 従魔契約スクロール、使役の絆…etc

 ・必要条未達成により開示不可。


  気本的には爪や牙で攻撃し、多くの

 群れで移動して獲物を狙う。

  冒険者から奪った武器を扱う個体も

 多い。


  系統種では、ラットマン・ソルジャ

 ーや呪術師、アーチャー等武器によっ

 て系統が変化する。

  役職種では、ジェネラル、ガーディ

 アン、キングなどに系統変化。


  知識レベルはかなり低いが、意思疎

 通は出来る。


  条件により疫病種や属性種、不死属

 性種に変異する事がある。


  進化種には様々有るが一番有名な

 進化先は、ぺスティレンスやオーガー

 ラットマン、



  稀に進化時に火鼠、旧鼠など全く異

 なる種に変異する事もある。


  より知識レベルが高い種に命令され

 て共に行動することも多い。


 棍棒、各種鉄器、各種鎧類、各種製盾

 ゴブ茸、各貨幣


  牙、耳、尻尾、爪、小魔石、中魔石、

 …etc


  上記部位は武器、防具、etcは素材に

 使用可能。


・各部位食用不可

 頭部…なし

 腹部…なし

 胸部…なし

 腕部…なし

 脚部…なし


 攻撃・防御:


  斬撃、殴打、強打、連打蹴り飛ばし、

 噛み付き、引っ掻き、突進


 系統変化先(進化先)

 ・ラットマン・ソルジャー

 ・ジェネラル・ラットマン

 ・オーガー・ラットマン

 ・火鼠

 ・旧鼠

  ……etc

  LV、経験値不足で鑑定不可。


 稀に宝箱を落とす。(ダンジョン個体のみ)


◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇



 ラットマンと呼ばれる魔物は、群れで行動すると言うだけあり、確かに24匹もの個体が僕の空間感知に敵性反応として現れている。


 1パーティー6匹の4グループだろう。


 その多くは単純に群れると言うより、役割ごとに順序立てて動いている様にも思える。


 奥の個体を鑑定してその謎が判明する。


 ジェネラルラットマンと言う個体が居たからだ。



「皆下がって!魔法を撃ちます!」


 その言葉で兵士はすぐに下がり盾を構え、アラーネアは天井に糸を飛ばしてスイスイと登る。



「アイス・フィールド!!!」


 地面が凍り氷柱が降り注ぐ。


 横の個体が邪魔になり8匹が氷柱の下敷きになる。


 通常個体はHP60程度なので氷柱が当たり、状態異常を起こして絶命するがなかなか素早く、氷柱が落ちて来るのを目視しながら避けていく。


 鼠は罠にかかり辛いとテレビで見たが……納得の動きだ。


 僕はクロークからフェムトのショートソードを抜くと牽制で薙ぎ払い、避けたところにウォーターバレットを撃ち込む。


 五発中2発しか当たらない……10匹は倒したが、まだ14匹も残っている。



「おい!お前!さっさと動け〜彼奴らには弓持ちもいるぞ!一箇所に止まっていると矢がどんどん来るぞ!」



 まさかの兵士がアドバイスをくれる。



「いいか、俺が盾を使って防ぐ近くに来たら迷わず撃て!」



 そう言って兵士はバックラー片手に前線に出るので、急いでフィールド効果継続の中断をする。


 『ガギィン』と音がした方を見ると、見事に防御が上手くいったらしく相手の勢いを削いでいたので、その隙を狙って撃ち込むが、一度では絶命しない個体だった。



 体躯がラットマンより若干大きく毛並みが違うので、多分上位個体だろう。



 僕はウォータージャベリンを生成して距離を取るその個体に投擲する。


 見事に盾で受け止めてくれるので、その直後に水槍が爆散すると吹き飛ばされてピクリとも動かなくなる。



 それを見た兵士は、



「なんかお前は勝手に戦士だとおもっていたが、完全に魔法使いだったのか!紛らわしい格好しやがって……俺が盾になるから安心して魔法をうて!」


「これでも、パーティーでは盾役のタンクだったんだ!」



 そう言って彼は僕の前で盾を構えてスキルを発動する……敵のヘイトを稼ぐ為のスキルだろう。


 今まで僕を注視していた魔物達は、突然彼をターゲットにして向き直す。



 兵士の彼に不用意に近づくラットマンに向けて、ウォーターバレットを撃ち込むと、先程までかわされていた攻撃が嘘のように当たる。



「あの後ろの個体は『ラットマン・ソルジャー』だ格が違うから気をつけろ!あと、あの一番後ろのが『ジェネラル・ラットマン』だ」


「彼奴を逃すと、他の群れと合流して今の群れよりでかくなるから必ず殺せ!じゃ無いと次はもっとヤベェ!」



 的確な指示と、仲間思いっぽいそんな彼を見ていると、なぜ『ドクリンゴ』と言う謀反人に従っているのか不思議にしかならない……



「ヂューー!!キー!!ガルヂューー!ガルヂューー!ヂューーギャギャギャ!ガルヂューー!」



「ギュア!キー!ガルヂューー!ヂューー!ガル!ガル!ギャギャギャ!ギュア!」



 僕が魔法を放つ直前『ジェネラルラットマン』が大きく鳴き声をあげると、周りのラットマン達は散開する。



「くそ!もう学習しやがった!」



 僕はクロークに剣をしまい代わりにある物を取り出す……『炎の弓(エルフ限定) 』だ。



 これは矢が要らない弓だ……僕はエルフでないので弦を引絞れないが、代わりに魔法の矢を放つことが出来る。


 僕は『ジェネラルラットマン』目掛けて5回ほど弓の弦を弾くと、『ビィィン』と強く5回ほど響くと同時に突然空中に火矢が放たれ飛んでいく。


 見事にジェネラルラットマンにつき刺さる。


 当然何が起きたか判らない、ジェネラルラットマンは絶叫をあげ、周りのラットマンはビックリしてパニックになる。



「マジックアイテム??火の矢を放つのか!あるならさっさと使えよ!!」



「これは火矢を撃つたびにMPを消費するんです。僕は魔法主体なので、あまりコレでMPを使いたくなかったんです。でも学習されて結局MP無駄になるなら、初見の武器ならば平気かと……まぁそんな感じです……」



 そう説明すると『まぁ確かにそうだな!』っと納得する彼……


 実は剣をしまってワンドを出そうかと思ったが、その時にこの弓を思い出したのだが……効果は抜群だし結果オーライだ。



 しかしダメージをかなり受けた、ジェネラルラットマンは逃げに徹する。



「くそ!逃すな!撃ち込め火矢を!」



 まだ余力が有ったようだが、既にHPの残りは10しかなく、ステータスには『瀕死』『火傷』『火炎継続ダメージ-3/分』『恐怖』『凍傷』『氷結継続ダメージ-2/分』『ダメージ2倍』『出血』と出ている。



 弦を弾く前にHPはみるみる内に2になり、時を待たずに『出血ダメージ-2HP』の表記が出てHP0に変わると、ステータス情報が『死亡』に変わる。


 それを確認した後に手前の5匹に僕はウォーターバレットを撃ち込む。



「よし!指示役が死んだ!コレでラットマンソルジャーが統制取るまで時間が稼げる……今のうちに殲滅行動だ!」



 彼は嬉しそうに武器を振るい、敵を殴り倒していく。


 僕は上位個体に、火矢を数本放ち仕留める。



「おお!マジか………たった2人でひぃ……ふぅ……みぃ…………………24匹も!」



 全部倒し切ると魔物がアイテムに変わる。

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