第110話「タバサは……実はやれば出来る子さん!?」

僕が宿の2人をファイアフォックスに連れて来て紹介しようとした時にはギルド内に微妙な空気が流れていた…。


「タバサちゃん…これ何混ぜたら…この色になったのかな?…へ…変な意味じゃないよ!ちょっと気になったって言うか…」


「そ…そうだね!確かに独創性のある色だけど…タバサはこれ使ってるのかい?そもそもコレ何時作った物だい?」


 ユイナとエクシアが指差すそれを見てみると…


◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇


      中級回復薬+2


 緑色初級 薬師スキル LV1以上必須。

 青色中級 LV不足により表示不可。

 紫色高級 LV不足により表示不可。

 橙色特級 LV不足により表示不可。

 金色ユニーク LV不足により表示不可。


       服用効果

  知能のある生物が使用出来る回復薬。

 服用時、300HP回復と解毒ができる。


  使用時、傷の治りを早くするが、傷の

 状態で回復状況に差が出る。

  繰り返し使う事で更なる回復を見込め

 るが、自然治癒力の強化なので重傷部位

 や欠損部は完全修復しない。


 追加の効果は作成時にランダム生成。


       追加効果


 解毒、LV不足により表示不可。


    自然治癒力上昇効果 2日

 (同等品の追加使用時 相乗効果1日追加)


  成分には回復作用があり、更に成分抽出

 する事で、丸薬を製造できる。


 LV不足により表示不可。


   魔法への触媒にも使用が可能。


作成可能  リジェネ(丸薬)


    回復系魔法触媒に使用可能。


     LV不足により表示不可。


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       中級軟膏+2


 緑色初級 薬師スキル LV1以上必須。

 青色中級 LV不足により表示不可。

 紫色高級 LV不足により表示不可。

 橙色特級 LV不足により表示不可。

 金色ユニーク LV不足により表示不可。


       服用効果

  回復補助軟膏。

  使用時、傷の治りを早くするが、傷の

 状態で日数が変化する。

  繰り返し使う事で更なる回復を見込め

 るが、自然治癒力の強化なので重傷部位

 や欠損部は完全修復しない。


       効果期間


 火傷(炭化以外)、凍傷、etc…2〜4日

 裂傷2〜4日、打撲2〜4日


 LV不足により表示不可。


   魔法への触媒にも使用が可能。


作成可能 LV不足により表示不可。


    回復系魔法触媒に使用可能。


     LV不足により表示不可。


◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇



「タ…タバサは毎日一個作ってて…だから一番古いので50日前です…古いの出して…す…すいません…すぐ片付けます。」


「エクシアさん!ちょっと待ってください!それ『傷薬』じゃなく『回復薬』です!青が中級で紫色が高級です!」


「軟膏も、回復薬も…補正品です!」


「ぶは!」


 お茶を飲んで誤魔化そうとしたエクシアが盛大にぶちまけた…まぁ自業自得だ…見た色に戸惑ったのは仕方ないが…。


 でも僕もやらかしたので苦し紛れの嘘をぶち込むしかない!


「い…以前…ぎょ…行商人に聴いた事があるんです!疑うなら鑑定スクロール使ってみてくださいよ!あくまで『聴いた話』なので!目で見て確認を!」


 見る目が痛かったので適当な嘘をでっち上げた…するとビックリした事にエイミィが援護射撃してくれた。


「確かに青は中級で紫は高級で間違いないです。私の母が作りますそれ!因みに橙色は特級です…タバサさん…その年でそれ作っちゃうなんて〜天才です!薄く光る効果は補正品です!光が強い程+修正の多い薬効があります。母の受け売りですが…」


「薬系は、出来立てから最低60日待った方がより薬効が安定すると母が言っていましたので、50日のはもうちょっと待ってから手放した方が効果が上がります。」


「それにしても…その年でファイアフォックスのメンバーなんですか?凄い!」


「え!え?…私母が回復師でして…必要な薬効を抽出するからお手伝いで小さい時からずっと薬草潰してて何時の間にか出来る様になったんですが…」


「実は今薬の事を言われるまで、人に見せた事がなかったんです。育った村でコレを見せたら…悪魔の薬を作る子って虐められるので。ユイナさんとミクさんが出してたので力になれればと…」


「あ!あと私、見習い冒険者で今日皆さんに逢ったばかりで…ヒロさんに誘われて此処に…ファイアフォックスに入れるように頑張りたいと思ってます!」


「「「「「「えーーーーー?見習い?」」」」」」


 エクシア含めた僕達6人以外は全員が大声で驚いた…見習い冒険者が高級軟膏と『回復薬』を作ればそれは驚く。


「って事は…回復薬作れるって事ですよね?回復師のスキルも持っているんですか?…ま…まさか…?回復系スキルの二つ持ち?」


 ローリィがビックリしながら聴くのでどうしたのかと見るとタバサが答えを出してくれた。


「母が回復師なので回復薬の作り方を教えてくれました…私が住む村には『ギルドが無い』のでジェムズマインに来て冒険者の修行しようと…」


「あ…あのねタバサ…回復薬作れるって事は回復師のスキル持っている事なんだよ…どう頑張っても素人は回復薬作れないから…スキルチェックはしてるかい?」


「私の育った村では8歳で覚えた魔法のチェックはしましたが…私は見込み無しでした。母はスキルチェックは銅級冒険者になってからしないさいって言われたので…皆さんは何時したのですか?」


「そ…そうか!村にギルド無かったんだもんな…そりゃしょうがない。ギルマス、俺が育った村はタバサと同じで魔力チェックして魔法が使えれば水魔法を覚えて村に貢献する習わしだったんだ。多分同じ感じの村だ。」


「そうか…サブマスターと同じ風習が残る村なのか…そう言われれば何時の間にか使えるようになっていてもおかしく無いし、薬師の代わりに回復師だったんだろうね…」


「タバサは…薬師って言葉を今聞きました。母はずっと回復魔法使ったり回復薬をハンターのおじさんに売ったりして生計を立ててたので…父は冒険者で冒険の傷が元で死んだので、母は父のお墓のある故郷で暮らすようになったみたいです。」


 意外に重い話になったが、タバサの回復師、薬師のダブルスキルはすごい効果があった様で、銅級冒険者になったらファイアフォックスに来る様にエクシアに唾つけられていた。


 それからタバサの持っていた50個の『回復薬』と軟膏は飛ぶ様に売れた…値段が判らないタバサの代わりにサブマスターが代わりに会計をやってくれた様で、お礼としていつかはファイアフォックスに来て欲しいとダイレクトに頼んでいた。


 しかし、当のタバサは銅級になったら…と、二つ返事でファイアフォックスの加入に了承していた。


「と…ところでヒロ…そちらさん2人は?宿屋で見かけたような?アタシの間違いで無ければだけどね?」


 エクシアの質問に答える様に2人の現状を一緒に伝える。スキルのことは僕が言って良いことではないので自分たちで判断して言って貰う事にした。


 エクシアに話しているのに何故か輝きの旋風の4人があれこれ口を挟んで止まらなかった。

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