言いにくいことを言う日

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。本日は『いい肉の日』ですが『言いにくいことを言う日』でもあるそうです」

「語呂合わせか」

「というわけで、今回は無礼講です。普段は言いにくいことを片っ端から言ってください。言いにくさが一定ラインを超えた場合、いい肉の日にちなんで、わたくしが高級焼肉をご馳走します」

「わかったよ」

「それではどうぞ」

「言いにくいけど、お前の持ちネタ面白くないぜ」

「当然だ。オレはまだ本気ではない。あと2回も変身を残している」

「フリーザかな?」

「はい次、どんどん言ってください」

「言いにくいけど、俺この講座やめたいよ」

「クーリングオフ期間は過ぎました。はい次」

「言いにくいけど、俺、彼女ができたんだ」

「結婚詐欺では? はい次」

「言いにくいけど、実はカメよりカエル派で」

「ひどいわ浮気者! はい次」

「言いにくいけど、乙姫より織姫の方が美人だよな」

「録音しました。はい次」

「言いにくいけど、チャックがあいてるぜ」

「わざとです。はい次」

「言いにくいけど……ってもうないわ!」

「全然ダメですねぇ。ここで急にキレるなら『オレは怒ったぞフリーザぁぁぁ!』でしょう?」

「ドラゴンボールネタはやめろ。古すぎるから」

「それはともかく、今の内容では焼肉は奢れませんな」

「だって俺、言いにくいことなんて特にないし」

「そんなあなたは、いい人すぎて損をしてしまうタイプです。時には周囲を振り回すくらいワガママになってみては? ラッキーアイテムは、熱々のスッポン鍋。コラーゲンを補給して美肌を手に入れよう!」

「星占いを装ったセールスはやめてくれ」

「大変言いにくいのですが、今の占い料金は5万円です」

「高っ」

「さあ、占い詐欺で巻き上げたこの資金で焼肉へ行きますぞ」

「俺から騙し取って俺に奢るスタイル」

「以上、亀と浦島の恋愛講座でした。この後めちゃくちゃ焼肉食べた」

「いや食ってねえから」

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