ダージリン
「どうも、浦島太郎です」
「わたくしは講師の亀でございます。インド紅茶はいかがですかな、ジェントルマン?」
「お、おう、頼むよ」
「産地はどうなさいますか?」
「さ、産地……?」
「ダージリン、アッサム、ニルギリ、各種取り揃えてございます」
「だ、ダージリン? にしようかな!」
「ミルクは?」
「ああ、たっぷり頼む」
「通常、ダージリンにミルクは入れませんぞ。にわか乙」
「それなら聞くなよ! わざと引っ掛けたな!」
「デートでこうならないよう、今日は紅茶について学びます」
「前置き長ぇよ」
「インドの紅茶産地は、先に挙げた3つが有名ですが、それぞれに明確な特徴がございます。もっとも希少で高級なのはダージリン。茶葉の味わいを楽しむために、通常はストレートで飲みますね。ダージリンにミルクを入れるのは、刺身用の大トロを買ってきたのに、わざわざ焼いて食べるような感じです」
「いいじゃないか、炙りトロだっておいしいぞ……」
「逆に、アッサムはコクが強いので、通常はミルクを入れて楽しみます。ダージリンはストレート、アッサムはミルク、ここまで覚えましたね?」
「ニルギリは?」
「ニルギリは南インドの紅茶で、上の2つよりやや安価です。スッキリしており、レモンティーに適しております」
「レモンティーって、紅茶好きの間では邪道だって聞いたんだけど」
「そう主張する人もいますが、あまり気にしなくていいのでは? 午後の紅茶にもラインナップされてますから」
「午後の紅茶に対する謎の信頼感」
「とにかく、まずはこの3つを覚えておけば、デートで慌てる心配はありませんぞ」
「わかったよ。お前、酒だけじゃなく、紅茶も好きだったんだな」
「食べ物には給食のトラウマがありますが、飲み物はだいたい好きです。コーヒーは守備範囲外ですけどね。誰か詳しい人がいたら紹介してください」
「他力本願……」
「以上、亀と浦島の恋愛講座でした」
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