無線ルーター

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。最近の悩みは、自室にWi-Fiの電波が届きづらいことです」

「それはアレか? 家が広いっていう遠回しな自慢か?」

「やだ……そんなこと考えてないのに、この人怖すぎ……」

「わ、悪かったよ。俺のダチで、前にそういうイヤな奴がいたもんでな」

「是非その人と会わせてくだされ」

「俺の代わりに文句を言ってくれるのか?」

「いいえ、無線ルーターの買い替えを勧めます。なんなら、その場で売りつける勢いで」

「さすが電気屋販売員だな」

「思い知れ、このノルマ……!」

「しかしそれなら、お前こそルーターを買い替えたらいいじゃないか」

「買い換えましたよ。『スマホ狙い撃ち!』と書いてある、ちょっと高い機種を買いました」

「スマホ狙い撃ち」

「格好いいですよね。『君のハートを狙い撃ち、バキュン!』みたいな」

「それで、効果はあったのか?」

「買い替え前とまったく変わりませんでした」

「狙い撃ちとは」

「家は全然広くないんですけどね……いかんせん縦に長い間取りで……」

「打つ手なしか」

「いいえ。そのルーター、高い機種なので中継機能もついていました。なので、元のルーターを親機にして、新しいルーターは中継機として廊下に置いてみたのですが」

「どうだった?」

「常に電波最大! 抜群の安定感!!! うわぁぁぁん嬉しい!!!!!」

「いくら何でも喜びすぎだろ」

「す、すみません……。スマホ圏外に慣れきった身からすると、Wi-Fiであれ4G

であれ、電波が安定していると興奮してしまいます」

「ともかく良かったな。これで質問系のメールにも即レスできるな」

「いえ、それは話が別ですね(真顔)」

「電波不良は言い訳で、ただの面倒くさがりだったわけか……」

「なにはともあれ、ルーターで電波状況が改善しない時は、中継機を置いてみるのも1つの手だと思います。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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