同担拒否

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。ツイッターのトレンドの『同居拒否』という単語が『同担拒否』に見えた2次元ガチオタクです」

「謎の自己紹介」

「浦島殿は同担拒否ですか? それとも歓迎派ですか?」

「そもそも同担って何なんだ?」

「同じアイドル、あるいは2次元キャラのファンですね」

「趣味が一緒なら話が合うんじゃないか? なんで拒否するんだ?」

「見方によっては、好きな人が同じ=ライバルですから、同担に拒絶反応を持つ層も一定数いるわけですよ」

「なるほど」

「わたくしの経験では、対象がアイドルだと、同担拒否が多いように感じますね。相手が実在するからでしょうか。逆に対象が2次元キャラの場合、明らかな同担拒否は少ない気がします。その代わり、解釈違いという地獄は存在しますが……」

「どっちもどっちだな」

「以上をふまえた上で、浦島殿は同担いかがでしょう?」

「いやいや、アイドルにハマるのは、恋愛経験が少ない若い連中だろ? 俺はそういう幻想持ってないから」

「さすが、姫君を抱き捨てて呪い殺された男は違いますねぇ」

「事実無根だ」

「ですが、アイドルにハマる人々が、みな恋愛経験が浅いとは限りませんぞ」

「そうかぁ?」

「現実の恋愛に絶望した結果2次元に救いを見出す中年もいるんやで……具体的にはワイのことやで……」

「お、おう」

「2次元の推しは、ある日いきなりレターパックで離婚届を郵送してこないから安心です!」

「いや、笑顔でそんな主張されても」

「ですが、アイドルであれ2次元キャラであれ、憧れの異性を見ると元気が出ますよね。その元気を、わたくしは、つらい現実を乗り切るエネルギーに変換したいと思うのです」

「確かにそうだな。変にのめり込みすぎると危険だけど、生活の潤いとして、そういうパワーを取り入れるのはアリかもだ」

「ご理解いただけて何よりです。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る