動物園

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。アメリカの動物園でゴリラが新型コロナに集団感染したというニュースを見ました」

「ゴリラ達もつらいだろうな。早く回復するといいんだが」

「まったくです。ところで、その話で思い出したのですが、小学生の頃遠足で動物園へ行きましてな。わたくしは、特に爬虫類ランドが見たかったのですが、友達はみんな小動物ふれあいコーナーがいいと言うのです」

「で、どうしたんだ?」

「話がまとまらず、1人で爬虫類ランドへ行きました。今思うと、わたくし、その頃からぼっちの素質高め……」

「協調性がない、とも言う」

「群れないクールな存在だと言ってくだされ」

「ふれあいコーナーには興味なかったのか?」

「だって、その手の小動物って、リスとかウサギとかネコですよね? 引っかかれたり、嚙まれたりしそう」

「それでイヤだったのか」

「……と思いましたが、亀のツメもそこそこ痛いし、エサやり中に噛まれるので、ただ単に爬虫類が好きなだけという結論」

「シンプルだな」

「確かに、爬虫類はモフモフしていませんよ? それに変温動物だから、抱いてもあったかくありませんよ? ですが……」

「というか、ヘビやカメは抱けないだろ」

「ひどいわ、あたしを抱けないっていうの!?」

「ごめん無理」

「という無理判定が出ましたが、爬虫類には人間に媚びないニヒルな魅力があるのです。鳴かないのでマンションでも飼えますし、基本的に小さいので飼育スペースも取りません。言うなれば、デレないツン」

「まあ爬虫類はともかく、最近は家にいる時間が長いから、ペットに対する関心が高まってるって聞くよな」

「そうですね。ペットは大切な家族です。人間同士の付き合いに比べると、別れが早く訪れるのがつらい部分ではありますが、この機会に検討してみるのも良いかもしれませんね」

「ああ」

「以上、亀と浦島の恋愛講座でした。ウサギには負けませんぞ……!」

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