大小

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。先日、カジノ入門にはルーレットが最適だと申し上げましたが、同じくらい参加しやすい『大小』もオススメでございます」

「大小? 聞いたことないなぁ」

「もともとは中国発祥の遊びで、マカオのカジノでは大人気なのですが、欧米のカジノではあまり見かけることがありません。知名度が低いのは、そのせいかもしれませんね」

「どういうゲームなんだ?」

「いわゆる丁半博打です。サイコロを3つ転がして、合計が10以下なら小の勝ち、11以上なら大の勝ちとなります。具体的な数字に賭けることもできますが、最初は大か小に賭けるのが単純で楽しいでしょう」

「ルーレットの赤と黒もそうだけど、2択ならあまり悩む必要がないな」

「ルーレットも楽しいのですが、いかんせん進行がゆっくりなので、慣れてくると少々じれったく感じられます。その点、大小はスピーディですよ」

「サイコロはディーラーが振るのか?」

「昔はそうでしたが、今は基本的に機械で振ります。フタを開けた瞬間に結果がわかるので、運良く勝ち続けた場合、ものすごい勢いでチップが増えます。逆に、負ける時は恐ろしいスピードで負けるのですが」

「パチスロも、負ける日は信じられないほど負けるもんなぁ」

「ええ。ギャンブルに挑戦する際は、全額失っても困らない程度の、余った資金で楽しむべきです。間違っても儲けようなどと考えてはいけません。『勝ったお金で○○を買うんだ』という空想は、『俺この戦争が終わったら結婚するんだ』と同じくらい強力なフラグです」

「絶対に折れないやつだな……。ところで、お前が大負けしたのは大小なのか?」

「いいえ、バカラです」

「まだ他のゲームがあるのか」

「バカラについては、機会があればいずれまた。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る