遺言

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。先日、墓を買った話をしましたが、そうすると次に気になるのは遺言ですよね」

「またお前は、縁起でもない話を……」

「ですが、死を考えるのは、つまりは生を考えるということ。誰しも避けては通れない道です。そこで今回は、何故かFPの資格を持っているわたくしが、遺言の作成方法についてご紹介いたします」

「そもそも遺言って、自分で作れるもんなのか?」

「はい。遺言には『自筆証書遺言』と『公正証書遺言』がございます。公正証書遺言は、公証役場で公証人が作る遺言です。プロが作るので不備が発生しませんが、そこそこの費用が必要ですね」

「俺、まだ若いし、そこまで本格的には……」

「その場合は、自筆証書遺言を書かれては? 紙とペンと印鑑があれば今すぐ作成できますぞ!」

「具体的には、何を書けばいいんだ?」

「遺言の内容(〇〇を誰々に遺贈する等)、日付、氏名、押印が必要です。すべて手書きで書いてください」

「それだけ?」

「それだけです。ただし、自筆証書遺言は本人が作成するものなので、死んだ後に家族に見つけてもらえなかったり、家庭裁判所の検認で不備となってしまう場合もあります。万全を期すのであれば、やはり公正証書遺言がオススメですね」

「2種類の遺言を、両方用意したらどうなるんだ?」

「日付の新しい物が有効になります」

「なるほど。紙とペンだけで作成できるなら、とりあえず用意しておくのもアリか」

「どれほど仲のいい家族でも、遺産が絡むと泥沼の戦いになりますので、そうならぬよう遺言は必ず生前に用意しましょう。他にも細かい要件がありますので、実際に書かれる時は、専門家に相談なさってくださいね」

「まあ俺は独り身だから、家族が争う心配はないな」

「俺が……俺たちが独身かちぐみだ!」

「お前、そのネタ好きだな?」

「大好きです。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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