亀と浦島の恋愛講座

続・シングルハラスメント

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。独身者にシングルハラスメントをする人は、大きくわけて以下の2パターンが存在します」

「今日もその話か」

「その1、自分自身が結婚して幸せだから、周囲もそうなって欲しいと思ってすすめるパターン。こちらは悪意のないタイプです」

「悪意がないからこそ、言われた方は対応に困るんだよなぁ……」

「ですが、あくまで善意から出た発言ですので、このタイプは笑ってやり過ごすのが一番でしょう。続いてその2、既婚者だけど幸福は感じておらず、逆に結婚に不満を抱えているタイプです」

「不満なのに、どうして人にすすめるんだ？」

「このタイプは、独身者が許せないのですよ。かくいうわたくしも、ボーナスを全額海外旅行に使った同僚を見た時は、モヤモヤしましたね。結婚している場合、稼ぎは家庭に入れないといけませんので……」

「そんなの勝手な逆ギレじゃないか」

「まあ、その通りなのですが」

「独身者はそりゃ自由だよ。金も時間も好きなように使える。けどさ、既婚者はその自由と引き換えに、ずっと一人でいる寂しさとか、将来孤独死するかもしれない不安とか、そういうものから守られてるわけだろう？　それを棚に上げて、結婚してない人間を一方的に非難するのは間違ってるぜ」

「わたくし、どちらの心情もわかりますので、大変コメントしづらいのですが……。とにかく、パターン2のソロハラは、この通り根深いことが多いので、ムッとしても下手に刺激しないのが上策でしょう」

「俺はむしろガチバトルしたいぜ」

「なお、パターン1は『結婚っていいよ』系、パターン2は『結婚もしないなんて』系の発言が多いです。見分ける際のポイントにしてください」

「わかったよ。まあ一番いいのは、この手の無益なハラスメントがなくなることなんだけど……」

「そうなるよう、わたくしも尽力します。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」