指輪のサイズ

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます」

「ちょっと相談いいか? 友達が彼女にプロポーズする予定なんだけど、指輪のサイズがわからなくて困ってるんだ」

「直接聞けばよろしいのでは?」

「でも、それじゃサプライズにならないだろ。いきなり贈って驚かせたいんだよ」

「なるほど。彼女の他の指輪を借りて……と言っても、未婚なら左手薬指はあけているでしょうから、正確なサイズを知るのは難しいですね」

「予想で作ってもいいだろうか?」

「いけません! ダメゼッタイ!」

「ずいぶん激しく否定するんだな」

「指輪は高い買い物ですし、途中で離婚しない限りは、一生身につけるものでございましょう? それなのに、サイズが合っていない、デザインが気に入らない、なんてことがあったら、その後の人生ことあるごとに奥様から文句を言われ続けますぞ」

「経験者は語る……」

「なので、個人的には2人で選ぶのがオススメですが、どうしてもサプライズしたいなら、糸を使って測るという方法がありますね」

「糸?」

「はい。薬指に糸を巻いて、重なった部分にマジックで印をつければ、指輪の内径がわかります。そこまで正確ではありませんが、予想で作るよりは遥かにいいと思いますよ。あるいはリングゲージが用意できるなら、彼女が寝ている時に、薬指にはめてみるのもいいでしょうな」

「どっちの方法も、一緒に寝るくらい仲がいいという前提ありきだな……」

「プロポーズするくらいなら、まあそういう機会もあるのでは?」

「わかった、友達に伝えてみるよ」

「サプライズで贈る場合は、サイズ直しができるかどうか、お店でしっかり確認してくださいね。ちなみに、宝石店で働く筆者の知人は、『プロポーズ失敗したから指輪返品します』という男性に遭遇したことがあるそうです」

「悲しすぎるな……」

「そうならぬよう、健闘をお祈り申し上げます。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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