第127話 ちょっと軽めの千秋ちゃん

当時はタイヤディーラーは、大抵メーカー直轄。

なので、いい加減なものだった(^^;


タイヤ工場で使えない、いい加減な奴の行き先だったり。

終身雇用だから、首に出来ないので

そういう、嫌な仕事に就かせて自然に、辞めてもらうような

人事だったり。


俺たちのような新卒は、そういう・・・いい加減な人たちの失敗を

カバーする役目だったり。



そんな訳で、リストラしたいけど・・・できないような営業所だったり。


(で、非正規が普通になるわけ)。



営業所はいい加減で、セールスがみんな出ちゃうと


俺と、事務の女の子とふたりだけ。


何か食ったり、飲んだり。電話番。


俺は配達とか、倉庫の整理とかするけど・・・。




その女の子もまた、メーカーの方の部長だかの娘で・・・

就職先がないから押し込んだ、と言う


よくあるパターン。


まあ、どうしようもない女(笑)でも、気のいいろくでなしで。



色白で、ふっくらしてるから

アッチの方がいいらしく、セールスの若いのといろいろ・・・してたらしい。



だーれもいないとき、応接室のソファで

若いセールスと、なんかしてたり(^^;


救いようが無い(笑)。




その、どうしようもない子は、ひろみ、と言う名前で・・・。


これにぞっこんだったのが、セリカXXに乗っている正彦だった。



これがまた・・・どうしてそんなのが好きになったのかと言うと・・・

まあ、アッチでおかしくなったんだろう(Yみたいに)。



始終、ちかくにいって触ってたり(笑)。




ひろみは、まあ、仕切りタイプで。

お母さん型。


なので、俺にもいろいろ指示するのだけど


メンドーだから無視してた(笑)。



昼休みに、イトーヨーカドーまで乗せてってとか言うので


「ひとりで行けよ」とか言うと怒る(笑)



デブがふくれると、下関のフグみたいだ(笑)。



面白いので、イトーヨーカドーまで乗せてって

そのまま置いて帰って来たりした(笑)。




まあ、そういう俺とひろみをみていて・・・正彦は


暗ーいメをして。



なんか、怖い(笑)から、あんまり近くに行かなかった。





若いセールスたちは、そんなひろみが

俺に関わりたがる・・・と思ったようだ。


それで妬まれるのは・・・いつものパターンである。



どの道、長くいるつもりなかったから。まあいいけど。




タイヤじゃない配達とかの時は、バイクで行ったりした。


チューブとか、バルブとか。小さいもの。伝票とか。



XS750で行くと、楽しかった。



3気筒なので、排気音も ドロ、どろ、どろ、どろ・・・・と。

なんかハーレーみたい。


だけど、回転あげるとVツインみたいに、るーん・・・と。回る。


振動もそんなになくて。



トルクも多く、4気筒みたいにモーターっぽくない。



それで、良く行ったのは

海岸沿いにあるガソリンスタンド、いくつか。



そのひとつのお店にいる千秋ちゃん、と言う子が

可愛い子で。



当時の流行、サーファー風の髪型で。



にこにこ、元気。



「いらっしゃーい!!」って。



ちょっと、香坂みゆきちゃん(欽ドンに出てた頃の)と言う感じ。


そうそう、あの落合さんもそんな感じだった。



けど、千秋はもうちょっと、軽い。




「なーに、今日は?」と。



「伝票ね、それと部品が幾つか」と、配達して。


すぐ帰らないでいろいろおしゃべりしたり。




千秋は17だったか18だったか・・・・。高校も行ってるんだか、出たんだか。

定時制かもしれなかった。



そういう事は聞かないのが、いい男(笑)。




おしゃべりしてて、土曜にディスコで会おうとか、そんな話ししたり。

そばに来ると、なーんとなくいい香りがして。


俺のXSのタンデムシートに手をついたり。腰掛けたり。



「バイク、乗っけてよ」とか言ったり。



そーいう、ちょっと軽めの子はXSが好きみたいね(^^)。


なんとなく、そーいえば族っぽいかも(笑)。2段シートだし。


当時は750ってステータスだったし。

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