第109話 ♪わかっちゃいるけど、やめられない
鈴木さんは、XJ400specialだと腰が痛い、と言って
俺のSR400(初期型)を、ほしがったから・・・・
ひょっとすると、その片想いJKがヤマハのバイクが好きだったのかもしれない。
俺も、SRは売る気はなかったのだけど
兄嫁が強奪しようとしたので、それなら売っちまえ(笑)と。
鈴木さんに20万で売ってあげた。
その少し後、俺はセブンイレブンのバイトを辞めた。
店長さんがいい人で、俺がXVをローンを組む時に
バイトなのに「社員」と言う事にしてくれて
おまけに保証人にもなってくれた。それでXVは買えた。
なんと言っても62万円である。
XJ750Eが56万円なのに、だ。
そのくらいいい人なので・・・・奥さんの弟が
仕事に嫌気が差してプータロー(笑)になって
姉に泣きついて。
給料18万ほしいとか、我侭言うので
俺のバイトする時間が無くなった(笑)。ので、辞めたと言う訳。
それで、鈴木さんとJKがどうなったのか知らなくて・・・・・。
ふと、お店に立ち寄ったら。その店長の弟が
鈴木さんが、JKの父親と乱闘になり、警察に捕まって
そのあと、精神病院に入ってしまったと言う。
それは、驚くほどのことでもなかった。
警官が「ヘンだな」と思えば
措置入院、と行って
保健所の指定する医師ふたりの診断があれば
入院させる事ができるから、だった。
国費で直せるので、むしろいい制度なのだが・・・・。
このJKの父親が、それを利用して娘から遠ざけようとしたのかもしれなくて。
(ただ、健康な人を入院はさせないので、恋慕のせいでヘンになっていたのだろう。
そんなに可愛い子ではなかったが・・・・アッチがステキだったのかもしれない(笑)。)
ミミズ3000匹とか。(^^;
それでおかしくなった、Yみたいに。
半年くらいして、鈴木さんが自殺したと言うハナシを
その店長の弟から聞いた。
俺の売ったSRに乗って行ったそうだ。
これはまったくの想像だけど、鈴木さんは
彼女がXS750とか、SR400が気に入っていると・・・・思い込んで
バイクの免許を取って、乗ったのかもしれない。
いま、そう思った。
そう考えると、なぜ初期型SRをほしがったのか辻褄があう。
20万もだせば、新車のSRを、あと残りはローンで買えるのだから。
なぜ、そんなに女の子に思い込めるのか不思議だった(それも、あんまり可愛くない子に(
笑)。
なんのハナシだっけ。そうそう、タンデムツーリング。
XVだと、のんびりバイクなので・・・・。
でも、わざわざチェーンドライブにする(ツアラーなのに)。変態ヤマハ(笑)。
4シリンダ・スポーツのXJ750はシャフトドライブなのに、である。
そのおかげで、ぶっ飛ばすとXJより面白いバイクだったが。
のんびりツーリングは楽しかった。
韮山いちご狩りから、ずっと国道を通らずに三島に出るのは簡単で
韮山町役場の前をずーっと、北に上がるとそのままだ。
XVは、たかたかた・・・・・と。V型、72度の面白いトルク変動があって
こういう道でも飽きない。
春なんか、れんげが咲いてて。田んぼに。
「にゃんぱすー」ではなくて(^^)。
広美ちゃんなんかも、ギャグじゃなくて「かわいい」とか。
美少女みたいなセリフ(笑)。
そのまんま箱根に入り、国道一号を渡ってから
広域農道、と言う
あんまり人がこない道で、御殿場まで行けて。
長尾峠を上がったり。
乙女峠を上がったり。
深良用水の脇を通って、芦ノ湖に行ったり。
そういう道をゆっくり走ると、楽しいXV750Eだった。
一時期、輸出仕様TR1も乗ったが、これもやっぱり同じとこが壊れた(笑)。
アルミ鋳物に、スリーブもなしでネジを切るのが無理なんだと思う。
貫通させてナットで止めればいいのだろうけど、ボルトの長さが足りない。
それでエンジンをマウントするのは、ちょっと強度不足だろうと思う(笑)。
そうそう、文子ちゃん・・・。後で、パートのおばちゃんに聞いたら
その頃から、同じ進学校の先輩の男の子に好かれていて
なんとなく、嫌いではないのだけれども・・・・好きでもない。
そういう気持で。
すこし逃げたくて。
バイト先の俺を、頼った。
そういう事らしかった。
まあ、パートのおばちゃんも「堅物、マジメな優等生じゃつまんないものね。
ボーイフレンドにするには」とか。そういう時代だった。
それはそうかもね(^^)。
亭主にするならいいだろうけど、それじゃ夢がないもんねー。
ほぼ、寅さんのこの当時の俺である(w)。
♪わかっちゃいるけどやめられない♪
アレ?違ったっけ(笑)。
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