第37話 レース中盤

日記 1986/


[タイアの噺 6]



おっと、忘れていたが(笑)


Nし山のニンジャだが、その巨体と重さにもめげず

一見シャープなハンドリングのこのバイクだ。

こいつも、ハイ・スポートに換装しているので、まあ..

セカンドグループのトップあたりには来るだろう、とは思う。


コケなければ、のハナシだ(笑)



さあ、皆が揃ったスカイライン・コース。


とりあえず2stの俺たち2台は最後尾。

先頭、ガンちゃんCBは、最初のコーナー、L字に右90度のコーナーを曲がって

まっすぐの登りを、全開で加速し始めた。

ショート管集合から同調音。


後ろ、山ちゃんNCR、イモラ、ベント、350s,ニンジャ、ルマン、そして俺。

最後尾はRZ350。

みな、一斉に加速。


混走のTTレース(笑)。



右90度を曲がると、ストレートがちょっと。

すぐに左ブラインドコーナーで、80位に落とさないと回り込めないから

ガンちゃんCBはかなり手前でブレーキ。


ドカ軍団とルマンは、そこをアウトからパス。

俺はちょっと様子見、ゆっくりとタイアのグリップを確かめてターン・イン。

フル加速しなくても、このペースなら楽だ。



CBがアウトに孕むだろうから、俺はアウト側からインへ。

ブレーキング・ポイントを奥に取り、リリース寸前にハング・オフ。

インへハンドルを切り、左ステップを蹴飛ばす。

と、同時にアクセルを入れてブレーキをリリース。

直線的にインへ立ち上がるが、まだ、ハーフスロットル。

余裕の走り(笑)。


こんな事が出来るのも、タイアのグリップに余裕があるからだ...


後ろではRZ350が、全開の快音を立てている。

排気量の違いはこの辺に現れる。


Nし山のニンジャは、ドカ軍団にかわされてCBとランデヴー。

俺は、2台をかわしてトップグループ最後尾から様子見。



現在の順位


1) SR500

2) NCR

3) 750s

4) LeMan

5)Vento

6) RZV

7) RZ350

8)CB

9)GPz




しばらくは中速コーナー。


この次は緩い右、ついで左とリズミカルに続く。

切り返しの技が見えるが、意外とセパハン車は遅れを取る事が多い。


ノダちゃんSRがアテ舵を切りながら全開に継ぐ全開、引き離しに掛かる。


ドカ軍団はちょっと遅れを取る。

Ventoは先に出ようとするが、パワーが足らずパッシングには至らない。

このあたりがワインディングの面白い所。


頭を抑えられた形で、SRと後方の車間が拡がるが

俺は、楽観していた。


中盤のストレートで抜き返そう、と考えていたのだ。



俺はエンジンのパワーを温存させたまま、じっと追随。

逃げて行くSRの丸いテールを眺めながら

軽くブレーキ、ターン、加速...

を、繰り返す。


100km/h程度のペースで、のんびりと流れてゆく序盤、

下り、右コーナー、序で短いストレート、すぐに左コーナー。


こんな場所で、後ろのRZがいきなりフル加速(!)。


俺を右手からパスし、インに回り込んで立ち上がり、ダンゴになっていたドカ軍団に並ぶ。



...アブねえな...(笑)。


怖いモノ知らずと言うか、まだ、若い若い。



現在の順位


1) SR500

2) NCR

3) 750s

4) RZ350

5)LeMan

6) Vento

7)RZV

8)CB

9)GPz


まあ、RZにしても、俺にしてもまだまだ余裕の速度。

トップの加速にしびれを切らせたか、さもなくば

高速ストレートの前にリードしたかったか,,,,


ちょっと混戦模様になってきた(汗。)

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