妻とはイギリスで出会って

 英語で検索してもカイルのプロレスの情報が出ないから、日本語で検索したら、プロレスではなく、英会話教室のインタビュー記事が出て来た。なんと彼はそのインタビューの中で「私の妻は日本人でイギリスで出会い日本に来て4年。」と語っていた。いや、バツイチとは聞いたけど、結婚してるのかと思いカイルにメール。

 

 「結婚してるの?」

 

 「何の話?今、アップルストアにいるんだけど。携帯が動かなくなったから。見たいなら壊れた携帯の写真送るけど。困惑してる。」

 

 「奥さんのことについて話してる2014年のインタビュー記事を見たんだけど。いきなり離婚ってないでしょ。」

 

 「何のインタビュー?有名人じゃないし。」

 ここでそのインタビューのページのURLを送る。

 

 「あぁ。英会話講師をやってた時は生徒全員に既婚だって言ってたんだ。ほとんどのスクールは苗字とか出身地を変えさせてくれるし。その方がレッスンに集中できるし、仕事を失うリスクも軽減出来る。仕事を始める前にそういうことにしといた方が問題が起きないし。」

 

 「でもインタビューで奥さんにイングランドで出会って、奥さんは日本人で日本に来てから4年って言ってるでしょ。」

 

 「他にも色々質問されたけど、インターナショナルスクールで働くためには妻子持ちの男の振りをしなきゃいけなかったから。それで仕事がもらえたわけだし。妻を連れて来たのかのように言っただけ。英会話講師はよく苗字とか出身地を変えるよ。女の人は男にネットとか職場外で探されないように変えるし。僕は友達申請をして欲しくないからするし。」

 

 「わかった。」

 

 「わかってくれてありがとう。会うのが待ちきれない。すごい忙しいからダラダラした過ごし方を君が教えてくれるのを待ちきれないよ。」

 

 「もちろん。達人だから。ところで既婚だったら光速で去るから。」

 

 「覚えておくよ。もし結婚してたらハッピーで他に探してないか、問題解決に取り組んでるかのどっちかだよ。」

 

 これ以上に怪しいことはなかったし、元奥さんとはイギリスと日本で遠距離と前に言っていて、インタビュー記事と異なっていたし、とりあえずこの話はここで終わった。

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