第120話 家の外は危険地帯
「
「……しました」
「また他の人と変なことしたら、今度こそ許してあげないからね?」
「……分かりました」
あれから2人が満足するまで舐められ尽くした莉斗は、ベッドの上で横たわりながら彼女たちに頭を下げていた。
ちなみに、まだ手足が解放されていない上にシャツも着せてもらえていないのは、今日一日はそのままの格好でいるようにと言われてしまったからである。
「ミクちゃん、もし約束破ったらどうする?」
「そうね、とりあえずお尻に…………かしら」
「え、そこまでするの?」
「優しい方よ、本当は…………を突っ込んで……したいくらいだもの」
小声で話しているせいで聞き取れない部分があるが、とても恐ろしいことを言っているのだけはわかる。
もちろん莉斗にとってそんな未来にならないことは簡単だ。ただただ2人以外を拒絶すればいいのだから。
だが、そう上手くいかないから困っているのだ。危険な人物は数人思い浮かぶが、大半が強引に襲いかかってくるタイプ。
男と言えど力の弱い彼には抵抗のしようがない時だってある。その場合はどうなるのだろうか。
「それは明らかに襲われた場合は許すわよ、悪いのは莉斗じゃないもの」
「でも、襲われて感じちゃうのはダメ。もちろん自分からってのもね?」
「それなら大丈夫。二度とこんなことは無いから」
2人はまだ疑いの目を向けてきているが、莉斗の意思は岩よりも固い。
絶対に
―――――――そう、誓っていたはずなのだ。
「……あ、ちょ……っ?!」
事件が起きたのはそれから数十分後のこと。みんなのためにアイスを買いに行こうとコンビニへ向かっていた道の途中、突然路地裏に連れ込まれたのだ。
「ど、どちら様……ですか?」
「……」
下半身はこの暑い時期に見合ったショートパンツなのに対し、上半身は黒い上着のチャックまで締め、猫耳のついたフードを深く被っている。
体型から何となく女の子であることはわかったが、それ以上の情報は一切ない。
フードの端から銀色の髪が見えているが、そもそも知り合いにそんな髪色の人物さえいないのだ。
「ふ、不審者……?!」
そう口にした瞬間、頭の中に彩音たちとの会話が流れる。襲われるのはセーフだが、感じたらアウトというあれである。
「……」
「こ、来ないで!」
「……」
「嫌だってばぁ……」
どれだけ拒絶しても迫ってくる。莉斗は恐怖のあまりその場に尻もちをついてしまい、立ち上がる間もなくフードの彼女に追い詰められてしまった。そして。
「お兄、あたしだよ」
フードを取って見せたその顔は、かなり久しくも忘れるはずのないものだった。
「あ、
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