異形の少女*🌺＊✰⋆*

第21話⁂樹と樹里亜の行方！⁂

ホテルの一室で今まさに激しい愛欲の海に溺れる2人。

「*⋆・。💛*会いたかった～！・。*ああああ～好き～！*・＊*・*・。*あああ～・。*⋆💋・。*」

「俺もだよ～弥生～！愛している*⋆・。💛*」

陽介と弥生2人の関係は秘密裏に延々と続いています。

人間という者引き裂かれれば引き裂かれる程会えない辛さと不安で一層愛が深まるものなのです。

達也と貴理子が入り用で外泊している日を見計らって2人は、又いつ会えるか分からないこの一瞬に身をゆだね、溺れ、全てを奪い尽くし身体も溶けて無くなる程の激しい愛欲の海に身を投じるのです。

一方の達也と貴理子も、何もここまでしなくても、もう古亭主、古女房、新しい獲物に目移りしそうなものですが？ましてやお医者様でお金持ちの2人なら幾らでも良い相手が見つかりそうなものなのですが？何故ここまで執拗に2人に拘らなければいけないのか？

そこは人間の心理、自分を捨てて到底かなわない最強のライバル陽介と弥生にいつ寝返るか不安で！不安で！よそ見をする余裕など一瞬たりともないのです。

また達也と貴理子にしてもこれだけの相手など到底見つからない！見つかる筈がない！

それだけ誰が見てもパーフェクトな陽介と弥生なのです。

そんな両者の心理が入り混じって不幸の連鎖が巻き起こっています。

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２０１４年の夏休みにやっと会えた夢にまで見た美少女樹里亜。

樹は夏休み期間中パリで会った謎の美少女？美女？樹里亜と会う約束をしたにも拘らずあれ以来会えていません。

あの後御付きの者が付けて来て2人は別れたのです。

それでもあの時色々話し合い、ほんの少しですが樹里亜の正体が分かってきました。

山城産婦人科のお嬢様で今現在フランスの宗教団体の教祖アンドレ様が設立した病院に入院中との事。

「一体どうして？どこが悪いの？」

と聞いてみましたが？

「分からない！」の一点張り。

一体彼女に何が起こっているのか？

それでも素晴らしい収穫が有りました。

わずかばかりの時間の中どうしても又会いたかった樹は勇気を振り絞り「あああっ会って、今度又あっ会ってくれませんか？」

「…………いいけど？私…………隠されているの……だから～？い　つ　き　危ない！…………ウール－ズ修道院の裏にある寂れた公園の大きな✰星のマ－クの公園に来てくれる？あそこなら見つからないと思うから？」

あんなに美しい美少女が会う約束をしてくれたのです。

樹は天にも昇る思いでまるで夢のようです。

「エエエエエエ！本当に～！アア！じゃ～！連絡の為に携帯番号教えて！」

「そんな物持って無い！」

｛それにしても？こんな２０１４年現在にお金持ちのお嬢様が携帯も所持していないとは一体どういう事？｝

忘れもしません。8月✕日夏真っ盛りの真昼間だと言うのにフランスの気候は日本ほど暑くありません。

時折り心地良い風さえ吹いて来ます。

そんな中2時にその✰星マ－クの公園に喜び勇んで出掛けたのです。

暫く待っているとまるで修道女のような恰好の美しい樹里亜が現れました。

樹は嬉しくて！嬉しくて！感極まって今にも涙が零れ落ちそうです。

｛こんな俺なんかにわざわざ会いに来てくれるなんて！｝

樹里亜も美しい長い髪を風になびかせ漫勉の笑顔でそれはまるで森を軽やかに踊る妖精のような面持ちです。

樹も母親譲りの何とも美しい紅顔の美青年に成長しました。

美しいカップルのシルエットが太陽に照らされて光り輝いています。

その時フランス人の強面男が突如として現れ樹里亜を邪険に連れ戻して行ったのです。

「い　つ　き————！」

「樹里亜————！行かないでくれ————！」

一体あの男は誰なのか？

又何故？樹里亜をあんな邪険に扱うのか？

「酷い！許せない！」