異形の少女*🌺＊✰⋆*

第11話⁂弥生と陽介！⁂

一時は死の淵を彷徨った陽介ですが無事助かり弥生も一安心です。

陽介は達也に対してすっかり疑心暗鬼になっています。

「兄貴一緒に酒飲んだ日俺に何飲ませた？」

「あああ？違う！違う！疲れに加え飲酒で失神しただけだよ～！お前夜遅くなるまで勉強しているだろう？それに学校での慣れない解剖実習など疲れが原因だよ！」

色んな事がありましたが、慌ただしく時は過ぎ。

弥生は苦労の甲斐もあり見事ＭＡＲＴＨ大学のA大学に合格。

マーチ大学はいずれも東京にキャンパスがあり、歴史が長く、ブランド力の高い私立総合大学として、全国的に知名度の高い有名私立大学です。

達也に疑心暗鬼な陽介でしたが？忙しい日々の中すっかり忘れ去られていったのです。

相変わらず3人の付き合いは続いています。

変わった事と言えばそれに1名佳代子が加わった事ぐらいです。

相変わらず時間が空けば4人でドライブに出掛けたり、映画を観に行ったり。

更に2年が過ぎ陽介は晴れて研修医です。

あれだけ頻繫に会えていた4人組ですが、研修医ともなれば病院に住み込みと言われる位ハードで陽介は会う事もままならないのです。

それを良い事に、ある日弥生を自宅に呼び寄せ睡眠薬を飲ませ眠らせてベッドで全裸にして眠っている事を良い事に、達也が重なり如何にもセックスをしているかのような姿を写真に収めたのです。

達也もいくら何でもそれ以上の事はしていません。

感情の欠片も無い只の人形状態の弥生を抱くほど達也も｛そんな惨めな～！｝それほど落ちぶれてはいません。

大切な宝物を絶対にこんな形で傷付けたくありません。

じゃ～何故こんな事をしたのか？

それは言わずと知れた｛陽介に見せて諦めさせる！｝既成事実を作る為にあえてこんな卑怯な真似をしたのです。

達也自身もここまでしなくてはならない程追い込まれているのです。

｛4人で出掛けても弥生は俺など眼中にない。いつも陽介と弥生の見つめ合う姿を見せ付けられて俺はただの蚊帳の外、佳代ちゃんも陽介に気がありそうだし？俺は弥生をどんな事をしても自分のものにしたい。どんな卑劣な手を使っても！

丁度研修医で会えないこの機会に弥生との既成事実を作ってしまえば、さすがの陽介も諦めるだろう！｝

更に2年が過ぎ陽介は初期研修期間を終えて後期研修で山城産婦人科、内科でのアルバイトを始めています。

医師としての第一歩です。

「兄貴又皆で会おうよ！」

「いいよ！あああ～？良いもの見せてやるよ！」

そしてあの時写した写真を陽介に渡したのです。

陽介の顔がみるみる真っ青になり2階の自室に閉じ籠ってしまったのです。

一方の弥生は陽介が病院で働き出したと聞き付け喜び勇んで山城病院に向かいます。

そして陽介を呼び出しやっと会えた嬉しさに陽介に飛び付きます。

「ヤメテクレ！」なんと！邪険に振り払います。

あの優しかった陽介がどうした事でしょう？

「陽介どうしたの～？やっと会えたのに？」

「お前の顔など見たくない！」

「一体どうしたと言うの～？」

「俺が知らないとでも思っているのか～？弥生が達也と深い関係だって事！酷い女だな～！一人の男で満足出来ずに俺まで騙そうと言うのか？」

「何を言っているの～？全く分からない？酷い！ワァ～～～～ン😭」

「あああ？ゴメン！言い過ぎた！だけど？俺は写真を見た！兄貴と弥生がベッドで裸で抱き合っている写真！」

「エエエエ————！全く分からない！絶対そんな事してないから！」

「アアアア！やっぱり～？兄貴は酷い奴なんだよ！俺が死にかけたんだって兄貴のせいに決まってる！」

「陽介それ酷すぎ！達也さんがどれだけあなたの為に尽力してくれたか～？それをそんな言い方するなんて最低！」

「何を言っているんだ！俺は兄貴に散々酷い目に合ってきた。兄貴の事良く知っているから弥生だって知っているじゃないか～俺が散々いじめられていた事、さてはやっぱり2人は出来てるって事？」

「そんな事絶対に無い！それからあんなに優しいお義兄さんをそこまで言うなんて酷～い！」

弥生はあんなに親身になってくれるお義兄さんを悪く言う陽介が許せません。

そして2人は別れたのです。